「知」の結集 ゆびすいコラム

2015.01.10

男気

昨年の12月、アメリカのメジャーリーグ、ニューヨーク・ヤンキー スから黒田博樹投手(39歳)が約8年ぶりに日本球界に復帰し、古巣の広島で来季から活躍することになりました。

新聞やニュースでも多く取り上げられていたように、ヤンキースでの再契約や、古巣であるドジャースといったメジャーの各球団からオファーがあったにもかかわらず、「最後はカープで」というカープ愛を貫いたことに多くの方がその男気に感動したのではないでしょうか。

私も感動するとともに、高額な金額が記事などで飛び回っている中で 「税金はどうなの?」 という現実的な考えが頭をよぎってしまいました・・・・ そこで、今回は税金(所得税)の面でもこの話の凄さを調べてみたいと思います。

アメリカの所得税では国に収める連邦税と勤務している州や居住している州に収める州税の二つがあります。

また、アメリカでは収入のあった人はすべて確定申告で年税額を調整し、申告期日(翌年4月15日)までに連邦税と州税を支払うことになります。

よって黒田選手は昨年の年棒(収入)に対する所得税を今年の4月にアメリカに収める必要があります。

では実際にどれくらいの金額なのかというと ・黒田選手の昨年の推定年棒 約1600万ドル(1ドル100円とし約16億円!!!) ・連邦所得税 約620万ドル ・州税 約130万ドル 所得は収入から必要経費(費用)を差し引かなければならないことや、為替数値、アメリカの所得税の計算方法などいろいろな条件はありますが、調べたところ単純計算でこのような金額になると予測されております。

1ドル100円だとすると今年アメリカに納める税金は約7億5000万円という金額になります。

これに対して、今年の広島カープでの年俸は4億円とされ、アメリカで納める税金の方が多いことや、今年の年俸にも日本の税金がかかることから4億円全額が使えるというわけではありません。

このように税金の事を一つ取っただけでも金額だけではない、黒田選手のカープへの愛や男気が感じ取れるのではないでしょうか。

私もプロ野球ファンとして、黒田選手の活躍を楽しみにしています。

大塚祥太郎