「知」の結集 ゆびすいコラム

2015.03.04

夫が家事をすると世帯所得の増加につながる?

 先日、家でテレビを見ていたら東京大学でジェンダー論を教えている教授が話をしていました。話の内容は、夫が家事をすることで妻が社会進出をすることができるようになり、年間で約350万円(女性の平均年収です。)ほど世帯収入が増加するとのことでした。

 実はこの考え方は、税負担を考える上でも非常に賢い考え方です。現在の日本の所得税では超過累進という制度を採用しています。そのため所得の高い人から多くの税金を徴収する仕組みになっています。そのため、夫一人で1,000万円稼ぐより、夫婦二人で650万円・350万円ずつ合計1,000万円稼ぐ方が所得税の負担は少なくなります。

   具体的に数字で表してみますと、1人で1,000万円を稼ぐ場合には社会保険料が1,379,448円、所得税・住民税が1,297,705円賦課され、手取りは730万円ほどになります。

 一方、夫婦で650万円・350万円と合計1,000万円を稼ぐ場合には、社会保険料が1,362,660円、所得税・住民税は823,300円賦課され、手取りは780万円ほどになり、世帯での収入金額は1000万円と両者で一緒でも、手取りの金額に約50万円ほどの違いが生じるのです。

 つまり、世帯での可処分所得を上げるためには、頑張って残業をして働くよりも、定時で帰って家事・育児を行って配偶者と協力して稼ぐ方が手っ取り早いのです。

 また、収入の面だけではなく、男性が家事に積極的に参加することで労働人口の増加につながったり、世帯に金銭的な余裕ができることで幸福度の向上が見込めますね。

 おっと、こんなことを書いていたらもう18時です。今日はもう帰って掃除と洗濯をします。