「知」の結集 ゆびすいコラム

2015.10.14

ノーベル賞はノーベルの遺言

今年のノーベル賞受賞者が10月5日から発表されています。

日本からは、医学・生理学分野において2名の選出が発表されました。

ノーベル賞は、スウェーデンの発明家・企業家であり、ダイナマイトをはじめとする様々な爆薬の開発・生産によって巨万の富を築いたアルフレッド・ノーベルの遺言によって設立されました。

ノーベル賞の賞金は一部門約1億1500万円(1千万スウェーデンクローナ)です。

ノーベル賞の賞金は、物理学賞、化学賞、生理学・医学賞、文学賞、平和賞は非課税なのですが、経済学賞だけ課税対象となっています。

この理由は、資金の出所によります。

昭和24年に湯川秀樹博士が日本人初のノーベル物理学賞を受賞した際、「賞金に課税するのはどうか」という議論が浮上し、所得税法の非課税対象(9条)に「ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品」(13項ホ)と明記され、ノーベル基金から賞金が支払われる物理学賞、化学賞、生理学・医学賞、文学賞、平和賞の5賞は非課税となりました。

一方、経済学賞は、スウェーデンの中央銀行の働きかけで昭和43年に新設され、賞金はノーベル基金からではなく、同行が運営する基金から支払われることになりました。所得税法は「ノーベル基金から」としか明記されていないため、経済学賞に限っては課税対象となってしまっています。

ノーベル賞という大きな功績は課税・非課税でははかれませんが、ノーベル賞の非課税規定は国によって異なります。各国受賞者の賞金の使い道にも注目です。

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