「知」の結集 ゆびすいコラム

2016.03.29

法人住民税均等割

 皆様、人頭税というものをご存知でしょうか?

この税は、納税能力に関係なく、全ての国民一人につき一定額を課すものです。マーガレット・サッチャーが導入し、国民世論の反発が強く、退任に追い込まれた一因となったのでご存知の方も多いのではないでしょうか。

実は日本にも法人を対象として、似たような税金が導入されています。

これを法人住民税均等割といいます。すべての法人を対象に、所定の判定により一定額の税金を課すものです。
この所定の判定とはその法人の事業年度末日時点の「資本金等の額」及び従業員数を基に行います。

※「資本金等の額」はお手元の法人税申告書別表五(一)の「Ⅱ資本金等の額の計算に関する明細書」で確認することが出来ます。

所定の基準のうち、「資本金等の額」が平成27年度税制改正により
①「資本金等の額」②「資本金+資本準備金」いずれか少ない金額とされることになりました。

この改正により、自己株式の取得により上記①の金額が上記②の金額を下回っている法人は、増税となる可能性が高いです。

堺市の法人で、自己株式の取得により資本金等の額が△100万円、資本金及び資本準備金の合計額が2億円の法人(従業員数50人超)を例にとって判定してみると・・・

(改正前)資本金等の額で判定を行います。金額が△100万円なので、最低金額の12万円が法人住民税均等割額となります。

(改正後)資本金及び資本準備金の合計額2億円で判定を行います。従って、法人住民税均等割は40万円となります。

このような場合に、法人住民税均等割額を低く抑える対策として資本準備金を取り崩してその他資本剰余金に振り替えるなどが考えられます。

適用されるのは平成27年4月1日以後開始する事業年度からです。
事業年度に変更がない場合には、今年の3月末決算法人から適用されます。
適用誤りのないよう、ご注意ください。


天谷 翔
税金