「知」の結集 ゆびすいコラム

2016.04.28

「社会福祉法の改正に伴う手続き」

 社会福祉法改正案が平成28年3月31日の本会議で可決成立しました。
 関与先の先生方から平成29年度から導入される新制度の役員・評議員のお手続きについて、「いつ何をすればいいのか」というご質問を頂戴します。
 現段階での情報を基に今後のスケジュールを作成しましたのでご参照ください。

●手続きのタイムスケジュール●

平成28年度中         各種通知、新定款準則
                     定款変更認可申請
                 定款変更認可
                 新評議員の選任
                 キャリアパス規程の制定
                 社会福祉充実残額の検討

平成29年3月31日      現評議員の任期満了

平成29年4月 1日      新定款効力発生
                新評議員就任

平成29年5月~6月     計算書類の作成
                監事の監査
              理事会開催 計算書類等の承認
              (2週間備え置き及び閲覧)
              定時評議員会開催
                   計算書類等の承認
               新役員の選任
               役員報酬基準の決議
               現役員任期満了
               新役員就任
               理事会開催 業務執行理事・理事長選定

平成29年6月30日まで    現況報告書等の提出

 また、平成29年4月1日から議決機関としての評議員会が全社会福祉法人に必置となりますが、法案が成立してからまだ日も浅いため各種通知・新定款準則が発出されていません。
 評議員の人選に関して事務手続きとして今現在できることはありませんが、来年度以降の人選について考えて準備をしておく必要があります。
●新制度の評議員について●

①選任方法
 社会福祉法人の適正な運営に必要な識見を有する者から、定款の定めるところにより選任する。理事又は理事会での評議員選任は認められない。

②定数
 定款で定めた理事定数を超える数(理事が6名の場合、評議員は7名以上)

③評議員の資格制限
 評議員になれない者
 ・役員又は当該社会福祉法人の職員
 ・法人
 ・成年被後見人又は被保佐人
 ・生活保護法等に違反し刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
 ・禁固以上の刑の処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
 ・解散命令を受けた社会福祉法人の解散当時の役員

④親族制限
 ・各評議員の配偶者又は3親等以内の親族その他各評議員と厚生労働省令で定める特殊の関係がある者が含まれてはならない。
 ・各役員の配偶者又は3親等以内の親族その他各役員と厚生労働省令で定める特殊の関係がある者が含まれてはならない。

⑤任期
 選任後4年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで。定款で定めれば、6年以内に終了する会計年度まで伸長可能
 
評議員としての識見を有する人材について
 ・社会福祉事業や学校などその他の公益的な事業の経営者
 ・社会福祉に関する学識経験者(大学教授等)
 ・社会福祉法人に関与した経験がある弁護士、税理士等
 ・地域の福祉関係者(民生委員・児童委員等)
 ・社会福祉法人職員OB(退職後一定期間を経過した者)
 ・地域の経済団体が適切な者として推薦する者(商工会など)
 
具体的な選任方法は確定しておりませんが、新役員・新評議員の人選を内々で準備しておくことはできますので、各法人様で早めの人選を心掛けてください。
 米田 尚司

 

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