「知」の結集 ゆびすいコラム

2016.06.20

医療費控除の特例の創設

 平成28年度の税制改正関連法は、内閣提出の原案どおり3月29日成立し、3月31日に公布、4月1日に施行されました。

そのなかで、私が取りあげるのが、健康の保持増進および疾病予防の取組みとして一定の取組みを行う個人が医療費控除の適用を受けることができるという改正です。

従来では、疾病予防のための予防接種や、健康診断などは医療費控除の対象外とされてきましたが、平成29年1月1日以降に支払う健康の増進および疾病予防への取組みについては、医療費控除の対象となります。

(具体例)
・特定健康診査(いわゆるメタボ健診)
・予防接種
・定期健康診断(事業主健診)
・健康診査(いわゆる人間ドック等で、医療保険者が行うもの)
・がん検診

(控除額)
上記の健康の維持増進およびおよび疾病の予防への取組みについて、その年中に支払った額の合計額が1万2千円を超える場合に、1万2千円を超える部分の金額(年間8万8千円を限度)をその年分の所得から控除します。

(注意点)
この制度の適用を受ける場合には、従来の医療費控除の適用を受けることはできないため、従来の医療費控除制度との選択適用となります。

また、適用期間が平成29年1月1日からであるため、今年は適用できませんのでご注意ください。

中村 忠
税 金