「知」の結集 ゆびすいコラム

2017.07.13

配偶者特別控除の改正

先月から顧問先様に月次巡回の際に、29年度税制改正の内容を説明させていただいています。
その中で説明に窮する内容が、配偶者特別控除の改正です。

改正内容そのものは、難しい内容ではないのですが、税務だけでなく社会保険も考慮しないといけないので少し厄介です。

改正概要としては、今まで収入の主となる人が配偶者控除の38万円の所得控除を受けようとする場合は、配偶者の給与収入を103万円に抑えないといけませんでした。

改正により平成30年からは、38万円の所得控除を受ける場合の配偶者の給与収入は150万円までと改正になりました。

女性の社会進出を促す働き方改革に伴う税制改正ですが、ここで注意しないといけないのが、所得税では給与収入を150万円までに抑えれば、収入の主となる人の配偶者に係る38万円の所得控除の対象になりますが、社会保険料の扶養の範囲である給与収入130万円は、今回の税制改正のような改正はありません。

給与が130万円の人と150万円の人の手取額を概算(生命保険料控除等の所得控除は除外して計算してます。)で計算しますと、130万円の人は税金(所得税・住民税)が約4.5万円となり手取は約125.5万円となります。

150万円の人は、社会保険料の負担が生じ社会保険料自己負担分として約20万円、税金が約4.5万円となり手取は約125.5万円となります。

手取だけでみると、130万円の人も150万円の人も同じとなります。

手取が同じなら130万円までにしようと考えるのか、130万円の人と手取は同じだが社会保険料を支払って将来の年金の足しにしようとするかは、考えどころですね。

税理士 貝塚 浩史

 

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