「知」の結集 ゆびすいコラム

2019.01.31

遺言の作成が必要なケース

平成29年の公正証書遺言の作成件数は全国で110,191件との発表がありました。
また、40年ぶりの民法改正により、自筆証書遺言の作成のハードルが下がりました。
今回は、遺言が特に必要と考えられるケースについてご紹介します。
 
①夫婦の間に子どもがいないとき
夫婦の間に子どもがおらず、長年連れ添った妻に財産を全部相続させたい場合は、遺言をしておくことが必要です。兄弟には遺留分がありませんから、遺言を残しておけば、財産を全て妻に残すことができます。
②再婚し、先妻の子と後妻がいるとき
先妻の子と後妻との間では、感情的になりやすく遺産争いが起こる可能性が高いと思われます。争いを防ぐため、遺言できちんと定めておく必要性が高いといえます。
③長男の嫁に財産を分けてあげたいとき
長男死亡後、その妻が亡き夫の親の世話をしているような場合、その嫁にも財産を残してあげたいと思う方もいるのではないでしょうか。遺言で息子の嫁に財産を遺贈する旨を定めておかないと、その方は相続権がないので、何ももらえないことになってしまいます。
④内縁の妻がいるとき
長年夫婦として連れ添ってきても、婚姻届けを出していない場合には、相続権がありません。財産を残してあげたい場合には、必ず遺言を残しておかなければなりません。
⑤個人で事業を営んでいる場合
事業に係る財産が遺産分割の対象になってしまうため、事業の継続が困難になるおそれがあります。家業を特定の者に承継させたい場合には、その旨の遺言が必要です。
⑥相続人が全くいない場合
相続人がいない場合、遺産は国庫に帰属します。特別お世話になった方に遺贈したい、社会福祉関係の団体や教会などに寄付をしたい、と思われる場合には、その旨の遺言を残しましょう。
 
遺言は、遺留分への配慮が欠かせません。また、財産の行き先についても、ご自分の置かれた家族関係や生活状況からそれに相応しい形にし、「付言事項」で自分の思いを家族に伝えることで、「争族」を避けたいものです。
ご検討中の方はぜひ、私たちゆびすいグループにご相談ください。
 
吉田 晴香
 
 
相 続