「知」の結集 ゆびすいコラム

2020.10.12

年末調整手続の電子化

年末調整手続きの電子化
 
 そろそろ年末調整の準備を始められる事業者の方も多いのではないでしょうか。
今年の年末調整からは手続きの電子化が可能となりました。この10月より、国税庁から
無料の年調ソフトの提供も開始されています。
 
現在、電子化できる申告書は下記のとおりです。
【既に電子的に提供を受けることが可能となっているもの】
・扶養控除等申告書
・配偶者控除等申告書
・保険料控除申告書(※)
※電子化できる控除証明書は、生命保険料、個人年金保険料、介護医療保険料、地震保険料に限られます。
 
【令和2年10月以降、電子的に提供を受けることが可能となるもの】
・基礎控除申告書
・所得金額調整控除申告書
・住宅ローン控除申告書(※)
※住宅ローン控除証明書・年末残高等証明書は、家屋の居住年が平成31年(令和元年)以降の
場合にのみ電子データで提供することができます。
 
控除証明書等については、保険会社等のホームページ等からダウンロードすることもできますが、
マイナポータルと連携することで複数の保険会社等の控除証明書等を一括して取得することもできます。
間違いやすい控除額の計算についても、ソフトが自動で計算してくれるため、検算の必要も無く、
事務手続きの省略化が図れます。また、以前のようにハガキを再発行する手間も省け、スムーズに
業務を行うことができるでしょう。
 
 年末調整の電子化を行うためには、事前に所轄税務署へ「源泉徴収に関する申告書に
記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」を提出し、その承認を受ける必要があります。
 
 マイナポータルと連携して完全な電子化を行うことが理想ですが、環境を整える必要があるため、
即座の対応は難しいかもしれません。そういった事業者の方は、従来の書面での提出を併用して可能な限りの
電子化を行うことで業務効率化が図られます。
 
宮嶋 亜湖
 
 
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