「知」の結集 ゆびすいコラム

2021.05.11

補助金等により取得した固定資産の圧縮記帳について

固定資産を取得する際、国からの補助金等(以下「国庫補助金等」とします。)の交付を受けたというケースはないでしょうか。
 
国庫補助金等の交付目的に適合した固定資産を取得等した場合、その取得等に充てた補助金等の額に相当する範囲内で圧縮記帳を適用することができます。(経費に充てた補助金等の額は除外されます。)
この圧縮記帳の適用は課税の繰り延べの効果があります。
 
新型コロナウイルス感染症の支援策の中にも、感染防止等支援事業における補助金など該当する補助金等はあります。
 
国庫補助金等により取得した固定資産の圧縮記帳の具体的な会計処理方法は、以下の様になります。
 
・補助金100
・固定資産 120
 
現金預金 100/補助金収入 100
固定資産 120/現金預金 120
 
固定資産圧縮損 100/ 固定資産 100
 
 
補助金等の収入による利益を圧縮することができるので、圧縮記帳をした年度は課税負担を減らすことができます。しかし、減価償却費の減少相当額分が翌年度以降課税されることとなります。
長い目で見れば全体の課税負担は同じですが、適用年度は一度に課税負担が減り、翌年度以降に平準化することにより、資金繰りの観点からは有利になります。
 
上記の会計処理は直接減額方式という方法であり、他にも積立金方式による方法もあります。どちらの処理においても課税の繰り延べという効果は同じです。
また、上記の会計処理は補助金等の返還不要が確定している場合であり、返還すべき補助金等がある場合や、先に補助金等をもらい、固定資産の取得等が翌年度にズレてしまった場合など、状況によって会計処理が異なり複雑になっています。
 
気になる事業者様に関しては、ぜひ弊社までご相談ください。
 
 
 
堺OF 菅 修太朗
 
 
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