「知」の結集 ゆびすいコラム

2022.01.27

人材確保等促進税制~コロナ禍における人材投資~

 オミクロン株の拡大に伴い、まだまだ油断できない状況が続いております。
コロナ禍の雇用環境の悪化を受け、従来の「賃上げ・生産性向上のための税制」は、新規雇用を重視した「人材確保等促進税制」へと見直しが行われました。当制度は、新卒・中途採用による外部人材の獲得や人材育成への投資を積極的に行う企業に対し、法人税等の税額控除措置を講じるものです。
今回は、この「人材確保等促進税制」についてお伝えします。
 
【適用対象法人】
青色申告書を提出する全企業
 
【適用期間】
令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する各事業年度
 
【適用要件】
①通常要件:・雇用者給与等支給額が前年度を上回ること
      ・新規雇用者給与等支給額が前年度より2%以上増えていること
②上乗せ要件:教育訓練費の額が、前年度より20%以上増えていること
 
【税額控除】
①通常要件:控除対象新規雇用者給与等支給額×15%
②上乗せ要件:控除対象新規雇用者給与等支給額×20%
(※税額控除額は、法人税額等の20%が上限)
 
【注意点】
・「所得拡大促進税制」との併用はできません。
・雇用調整助成金等を受給している場合、適用要件判定時と税額控除限度額計算時の給与等支給額の範囲が異なります。
適用の際、補助金等の交付額を控除すべきかどうかについては、十分注意してください。
 
 従来の「賃上げ・生産性向上のための税制」は大企業向けの制度でしたが、今後は中小企業を含めた全企業が対象となります。そのため、中小企業は、「所得拡大促進税制」の適用ができなかった場合であっても、「人材確保等促進税制」の適用を受けられる可能性があります。どちらの適用要件も満たす場合は、いずれの制度が有利になるか事前に検討が必要です。
 
堺事業部 宮嶋 亜湖
 
 
税 金