「知」の結集 ゆびすいコラム

2022.01.28

医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者と、利用する際のポイント

医療・介護・保育分野においては、長期にわたる深刻な人材不足が続いています。
 
そういった環境の中で「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度」が創設されました。
 
1.医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度
■概要
この制度は、紹介手数料や採用後の早期離職等の諸事案への対応として、求人者(医療機関・介護施設・保育園等)が適正な職業紹介事業者を利用できるよう厚生労働省の委託事業として実施されています。
 
■対象職種
〇医療分野
 医師、看護職、リハビリテーション専門職、医療技術者、薬剤師、歯科医師、歯科衛生士、看護助手・歯科助手、栄養士・管理栄養士
〇介護分野
 介護職、リハビリテーション専門職、介護支援専門員、生活・支援相談員、機能訓練指導員、栄養士・管理栄養士、医師、看護職
〇保育分野
 保育士
 
■主な認定基準(必須基準より一部抜粋)
・取り扱い職種別に手数料を公表していること。
・早期離職時の返戻金制度を設けていること。
・求職者にお祝い金等の提供をしていないこと。
・自らの紹介により就職した者(無期雇用)に対し、就職した日から2年間、転職の勧奨を行っていないこと。
 
医療・介護・保育分野の有料職業紹介事業者は数多くありますが、この制度では、法令遵守をはじめ一定の基準を満たした事業者しか認定されません。
安心できる事業者を選ぶ基準の一つとしてご活用されてみてはいかがでしょうか。
 
≪厚生労働省委託事業ホームページ≫
・医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度
・適正認定事業者を探す
 
2.職業紹介事業者を利用する際のポイント
〇必要とする人材の適性や能力を具体的に伝える
 ミスマッチを防ぐため、求める人材の要件(能力、技術、経験年数など)を具体的に伝えることが重要です。
 また、口頭だけでは行き違いが生じやすいので、求人票などの書面や電子メールなどの電子媒体を利用し、労働条件を具体的に明示し、担当者に交付しましょう。
〇契約内容の確認・検討
 事前に説明を受けた内容と同じか、必ず契約書などを読んで確認してから契約しましょう。
〇納得のいく人材の選定
 採用するかどうか最終的に決めるのは求人者です。
 事業者任せにせず入念に面接などを行い、求める能力や技術を身につけているか、職場に順応できそうかなどを十分に確認することが重要です。
〇求職者への十分な情報提供
 職場の雰囲気や就業規則、福利厚生や勤務時間(夜勤の有無)などについて、求職者に対して十分に回答することが、採用後のトラブルやミスマッチを防ぐために有効です。
 
医療介護専門部 山下裕太
 
 
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