「知」の結集 ゆびすいコラム

2022.03.24

科学的介護情報システム「LIFE」について

今回は、令和3年度の介護報酬改定で注目された「LIFE」について記載したいと思います。
 
LIFE(ライフ)とは、「科学的介護情報システム」といい、「Long-term care Information system For Evidence(ロングターム ケア インフォメーション システム フォー エビデンス)」を略したものです。  
 
介護に関するデータは、以前からCHASE(チェイス)とVISIT(ビジット)というもので別々に運用されていましたが、2021年4月からはこれらのシステムが一体的に運用される事になりました。
その一体化されたものが、「LIFE」です。
 
国は、医療分野ですでに行われている「根拠(エビデンス)に基づく医療」を参考に介護分野でも全国の介護事業所から集めたデータによる情報の収集と分析により介護現場へのフィードバックを通じて、「科学的裏付けに基づく介護」の普及・実践をはかりたいと考えているようです。
 
普及を図るためには、全国の介護事業所からデータを集める必要があるため、令和3年度の介護報酬改定において、「LIFEの活用による加算」が新たにつくられました。
 
「LIFEの活用による加算」には、主に次のものがあります。
・科学的介護推進体制加算
(利用者のADL、口腔・栄養の情報、認知症の症状についての情報収集)
・個別機能訓練加算・リハビリテーションマネジメント加算
(利用者のADL、IADL、起居動作等に関する情報、健康状態や個別機能訓練の目標などの情報収集)
・ADL維持等加算(利用者のADLについての情報収集)
 
「LIFEの活用による加算」の算定を受けるためには、事業所がただデータを提出すればよいわけではなく、「LIFE」からのフィードバックを受けて、それをもとにケア計画を見直すといった要件が含まれています。   
ケア計画を見直すことで、ケアの質の向上に繋げてほしいと考えているためです。
 
今後、「LIFE」を活用していきたいと考えられる介護事業所様におかれましては、厚生労働省の下記URLをご参照下さい。
 
和歌山事業部  奥野 和浩
 
 
教育・福祉事業