〇保育園におけるICT化とは?
ICTとは「Information and Communication Technology」のことです。
保育園におけるICT化とは、保育園の集計・管理といった事務をシステム化によって効率化することを指します。
具体的な効率化対象業務としては、
①園と保護者のコミュニケーション
・出欠連絡
・連絡帳
・保護者アンケート
・園児位置情報(登園、退園記録等)
・おたより配信
②園内管理業務
・園児情報管理(基本情報/健康管理等
・勤怠/シフト管理
・日報管理
・請求関係管理
等があり、園内で電話や紙媒体で業務を行っている事務作業が全てPCやスマートフォン等のICT機器で効率化することができます。
ICT化によるメリットとしては
①管理側にとっては、情報の一元管理が可能
②保育士や教諭側にとっては、事務作業の効率化による負担削減
・本来の保育業務への注力が可能
③保護者側にとっては、園とのコミュニケーションや園児の登降情報
等の確認がタイムリーに可能
というメリットがあります。
〇保育園におけるICT化に対する政府予算・補助金
においては、業務のICT化等を行うためのシステム導入に対する予算がとられており、対象システムが
①保育に関する計画・記録機能
②園児の登園・降園の管理機能
③保護者との連絡機能
の3つを備えている場合、システム導入費用は60万円(端末購入の場合は100万円)まで補助金が交付されます。
上記は国の補助事業になります。別途市区町村においてもICT補助金が交付される場合がありますので、自治体の施策を確認いただくことが重要です。
参考に、東京都の令和4年度の実施事例を紹介します。
東京都の事業では、概算要求で示された国事業との併用不可となっております。
東京都のICT化補助事業
〇保育園におけるICT導入の状況
令和2年度の調査ですが、ICT化導入の状況についての東京都のレポートがあります。
この報告書では、ICT化による効果として(報告書17P参照)
・職員採用活動
・勤務シフト作成・更新
・備品・消耗品の発注・在庫管理
・保育サービス推進事業補助金の交付申請・実績報告
・宿舎借り上げ支援事業の交付申請・実績報告
・食材料費の集計・請求・徴収
の業務において、非ICT化の園よりもICT化対応を行った園の業務量が少ないとされています。
また、業務効率化の成功要因としては、
・理事長、園長等の管理職の推進力
・外部専門家等による丁寧なサポートの獲得
(些細なつまづきの解消等に寄与)
・段階的なICT導入、業務変更(ICTに疎い職員等の抵抗軽減等に寄与)
・職員の改善提案が受け入れられる雰囲気
が挙げられており、管理者側の前向きな姿勢と適切なサポートが業務効率化の肝となっているようです。
この機会に、是非ともご自身の園でのICT化補助金を活用したシステム導入・業務効率化をご検討ください。
東京支店 吉村毅久