「知」の結集 ゆびすいコラム

2023.05.26

上場株式、個人で持つか会社で持つか?

国内の上場株式や投資信託は、証券口座を開設すれば、個人でも会社でも保有できます。
 
それでは、上場株式や投資信託を、個人で保有する場合と、会社で保有する場合では、どちらの方が税負担の面で有利なのでしょうか?
令和5年5月現在の税法を基に、大雑把に分類してみます。
 
①配当が出た場合
個人:税負担割合 … 配当金に対して0%~20.315%の税金がかかります。※1
法人:税負担割合 … 配当金に対して約34%の税金がかかります。※2ただし、他の事業の損失と通算できます。
⇒個人有利な場合も、法人が有利な場合もあります。
 
②売却益が出た場合
個人:税負担割合 … 利益に対して20.315%の税金がかかります。
法人:税負担割合 … 利益に対して約34%の税金がかかります。※2ただし、他の事業の損失と通算できます。
⇒個人が有利な場合も、法人が有利な場合もあります。
 
③売却損が出た場合
個人 … 損失を3年間繰越すことができます。※3
法人 … 損失を10年間繰越すことができます。※3ただし、他の事業の利益と通算できます。
⇒法人有利です。
 
④消費税について
個人 … 株式の売買を事業として行っているのでなければ消費税の計算に影響を与えません。
法人 … 株式を譲渡することで課税売上割合が減少するため、消費税の納税額が増加する可能性があります。
⇒個人有利です。
 
≪結論≫
どちらが有利とは断言できず、個別の状況に応じた試算を行うことになります。
また、今回は省略しましたが、相続も考えた場合、更に検討が必要になります。
具体的な試算が必要な場合は、税理士法人ゆびすいへご依頼下さい。
 
※1 総合課税と分離課税の有利選択を考慮しています。確定申告が必要になる場合があります。
※2 法定実効税率を34%と想定しています。
※3 確定申告が必要です。
 
松田一成
 
 
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