「知」の結集 ゆびすいコラム

2023.10.31

医療法人が営むことができる業務とは?

 医療法により、医療法人が営むことができる業務範囲について、制限がされています。具体的には、「本来業務」「附帯業務」「附随業務」「収益業務」の4つに分類することができ、社会医療法人以外の医療法人では、「収益業務」を除く3つの業務を営むことができます。医療法人にできること・できないことを理解し、管理・運営を円滑に進めましょう。
 
1 「本来業務」
 医療法第39条より、医療法人は病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院の開設を目的として設立される法人であり、これが医療法人の「本来業務」になります。
 
2 「附帯業務」
 医療法人は、定款又は寄附行為に定めることにより、附帯業務として医療法第42条に定められている次の業務を行うことができます。なお、附帯業務を委託すること、又は本来業務を行わず、附帯業務のみを行うことは医療法人の運営として不適当であるとされています。
 ①医療関係者の養成又は再教育
 ②医学又は歯学に関する研究所の設置
 ③巡回診療所、医師又は歯科医師が常時勤務していない診療所(へき地診療所等)の開設
 ④疫病予防運動施設
 ⑤疫病予防温泉施設
 ⑥保健衛生に関する業務
 →(例)薬局、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所、歯科技工所など
 ⑦社会福祉法人のみが行うことができる社会福祉事業
 ⑧老人福祉法に規定する有料法人ホームの設置
 
3 「附随業務」
 本来業務に附随して行われる業務で、定款変更等を行うことなく、本来業務の一部として行うことができます。具体的には、従業員を住まわせる目的で寮を建てること、病院に隣接する患者用駐車場の運営又は従業員を対象とした食堂の経営などが挙げられます。
 
4 「収益業務」
 社会医療法人は、本来業務に支障のない限り、定款又は寄附行為に定めるところにより、その収益を病院、診療所又は介護老人保健施設の経営に充てることを目的として厚生労働大臣が定める業務を行うことができます。具体的には、不動産賃貸業、介護用品や医療機器の販売、理容業・美容業などの業務を行うことが可能です。
 
医療介護専門部 芦田
 
 
医 業