「知」の結集 ゆびすいコラム

2023.10.24

インフルエンザと税金の関係

インフルエンザが猛威をふるっています。インフルエンザの感染状況はそれぞれの自治体が1つの医療機関から患者数が10人を超えた場合に「注意報」が発令されます。例年は12月以降、注意報が発令されることが多い一方で、今年は9月中旬から多くの都道府県で注意報レベルの状態が続いており、流行が非常に早いことが確認できます。
インフルエンザの感染を対策するために、医療費控除や福利厚生での予防接種代の一部負担などインフルエンザ周辺の税金関係を知ることで、適切に対応できるかと思われます。
 
(1)インフルエンザの予防接種を受ける場合
インフルエンザは、予防接種を受ける人が多いですが、この予防接種を受けた場合、医療費控除の対象となるのでしょうか。答えは医療費控除の対象とはなりません。予防接種は治療を目的にしたものではなく、病気の予防を目的にしているため医療費控除の対象とはなりません。
 
(2)インフルエンザに罹患し、通院して薬の処方を受ける場合
こちらは実際にインフルエンザに感染して、治療を受けるため、基本的には医療費控除の対象となります。
 
(3)インフルエンザワクチンを会社から一部負担された場合
給料・賞与といった金銭の支給以外でも会社が従業員に経済的利益を与えるものは原則課税されますが、インフルエンザワクチンの一部負担額については、①著しく高額でないこと②対象を特定の者に限定せず全社員を対象としたものにすることで、給与として源泉所得税は発生しません。
 
(4)インフルエンザワクチンの代金を病院で支払う場合
インフルエンザワクチンにも消費税相当分が含まれています。(3)の事例で、会社が福利厚生費として、予防接種を負担して、仕入税額控除を適用する場合は、インボイスの要件が揃った領収書の発行が必要となります。
 
医療介護専門部 水谷
 
 
税 金