「知」の結集 ゆびすいコラム

2023.12.28

2024年 介護報酬改定率が決定

2024年は、診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬のトリプル改定の年ですが、ようやく12月20日に、2024年度の各報酬の改定率が決定しました。
 
 各報酬の改定率は、それぞれプラス改定となっています。介護報酬を中心に見ていくと、最も大きな改定率に見えますが、処遇改善に占める割合が多く、実質的な改定は+0.61%に留まります。この部分が事業所が自由に使える改定部分になりますが、昨今の物価高騰を考えると、十分とはいえない印象です。また、処遇改善を除いた改定率は前回(7%)よりも低くなっています。
 
 介護報酬の各サービスの個別の改定率の決定は、年明けになりますが、2023年に実施された「介護事業経営概況調査」や「介護事業経営実態調査」の結果で特養などの施設サービスの収支が悪化してることを受け、施設にウェートが置かれた改定になることも十分考えられます。
 
 介護事業所の倒産件数は、2023年も過去最高を更新する可能性が高く、今回の+改定程度では、歯止めが効かない可能性があります。
 利用者確保、サービス向上、DX等による業務効率化などを更に進めていく必要があるのではないでしょうか。
 
〇 介護報酬 +1.59%
 
 内訳 介護職員の処遇改善分 +0.98%(2024年6月施行)
     その他の改定分      +0.61%
 
※  これに加えて、処遇改善加算の一本化による賃上げ効果等による介護施設の増収効果として+0.45%相当の改定が見込まれており、+1.59%の改定と合計すると+2.04%相当の改定となる見込み。
 
〇 診療報酬 +0.88% (薬価等 ▲1.00%)
 
 内訳 看護職員等の処遇改善       +0.61%
     入院時の食事基準額の引き上げ  +0.06%
     処方箋料等の再編等による効率化 ▲0.25%
     その他の改定分            +0.46%
 
〇 障害福祉サービス等報酬 +1.12%
 
※  これに加えて、介護報酬同様に処遇改善加算の一本化の効果等があり、それを合わせると合計+1.5%を上回る水準となると見込み。
 
詳しくは、こちらの厚労省の資料をご覧ください。
 
医療介護専門部 門原
 
 
医 業