令和5年度決算の時期がやってまいりました。
そこで今回は、顧問先様からこの時期に問い合わせがある学校法人における予算及び決算の理事会・評議員会の開催順について記載したいと思います。
1、予算及び事業計画における開催順
予算及び事業計画については、私立学校法第42条第1項で「理事長において、あらかじめ、評議員会の意見を聴かなければならない。」と定められています。
従って、順番は評議員会の開催が先で理事会の開催が後になります。
これは、学校法人の運営において予算が重視されているため、評議員会に諮りその意見を理事会の決議に反映するべきであるという考え方があるためです。
※評議員会の意見を聴かなければならないものは、他に次の事項があります。
事業に関する中期的な計画(文部科学省が所轄庁である学校法人)
借入金及び重要な資産の処分に関する事項
役員に対する報酬等の支給の基準
寄附行為の変更
合併、解散
収益を目的とする事業に関する重要事項
学校法人の業務に関する重要事項で寄附行為をもって定めるもの
2、決算及び事業報告における開催順
決算及び事業報告については、私立学校法第46条で、「理事長は、毎会計年度終了後2月以内に、決算及び事業の実績を評議員会に報告し、その意見を求めなければならない。」と定められています。
決算の場合は評議員会に「報告」であり、予算のように「あらかじめ意見を聞く」ではありません。従って決算における議決手順については、予算の場合と違い、理事会の開催が先で評議員会の開催が後になります。
また、理事会開催日、評議員会開催日、監事監査実施日及び公認会計士監査実施日の順番については、次の順で行うこととなります。
①監事監査・・・学校法人の業務、財産の状況、理事の業務執行の状況について監査を行って監査報告書を作成する。
②理事会・・・決算及び事業報告の承認を行う。
③評議員会・・・理事長が決算及び事業の実績について報告を行い、意見を求める。
④公認会計士監査・・・外部機関である公認会計士が監査を実施し監査報告を行う。
理事会・評議員会を開催するにあたって、参考にしていただければと思います。
税理士法人ゆびすい 和歌山支店 奥野和浩