2025.08.21
はじめに
保育・介護の現場では、日々の記録や報告、資料作成など、事務作業に時間と労力がかかっています。
「もっと簡単にできたら…」そんな声に応えるべく、今回は無料で使える生成AIやOfficeツールを活用した業務効率化の方法をご紹介します。
①生成AIの活用方法
ChatGPT・Geminiでできること
● 記録文の自動生成
日誌や連絡帳など、毎日発生する記録業務は、時間も手間もかかる作業です。
例えば「午前中は散歩、午後は制作活動。食事は完食」などの箇条書きの内容を入力するだけで、自然な文章に整えてくれるのが生成AIの強みです。
● 報告書・計画書の下書き支援
月次報告や個別支援計画など、構成に悩む文書も、AIに「このような内容を含めたい」と伝えるだけで、たたき台となる文書を提案してくれます。
文体やトーンも調整できるため、現場に合った表現に仕上げることができます。
● Google Workspaceとの連携(Gemini)
Googleドキュメントやスライドをお使いの施設では、Geminiを使うことでAIが直接文書を編集・提案してくれるため、作業の手間がさらに軽減されます。
②Officeツール(Copilot)の活用方法
Excel:記録の集計・可視化に
出席簿や体調記録など、日々のデータを自動で集計・グラフ化
「この列の平均を出して」「月ごとの傾向を見たい」といった指示にも対応
ピボットテーブルや関数の提案もAIが行ってくれるため、Excelが苦手な方でも安心です
Word:文書作成の効率化に
業務マニュアルや保護者向けの案内文など、定型的な文書を自動生成
「やさしい言葉で」「丁寧な表現で」など、トーンの調整も可能
既存の文書を読み込ませて、改善案を出してもらうこともできます
PowerPoint:研修・説明資料の作成に
研修資料や職員向けの説明スライドを、構成から提案
テーマや目的を伝えるだけで、スライドの骨組みや見出しを自動生成
デザインの提案も受けられるため、見やすく伝わりやすい資料作成が可能です
③導入のポイント
1. まずは「記録業務」から始める
記録は毎日発生する業務であり、効果を実感しやすい分野です。
AIを使って文章を整えるだけでも、1日数分〜数十分の時短につながります。
2. 指示文をテンプレート化する
「このような内容を、丁寧な文章にしてください」など、よく使う指示はテンプレート化しておくと、毎回の入力がラクになります。
職員間で共有すれば、誰でも同じように使える仕組みになります。
3. 個人情報は入力しない
AIは便利ですが、個人名や詳細な健康情報などの入力は避けるのが基本です。
「○○さん」ではなく「利用者A」など、抽象化した表現で試すことで、安全に活用できます。
4. 無料版から試してみる
ChatGPTやGemini、Copilotなど、まずは費用をかけずに試せるツールが多数あります。
「まずは1つの業務から」「1人の職員から」など、小さく始めて、徐々に広げるのが成功のコツです。
今回、業務効率化の一例をご紹介しました。現場に取り入れることが可能かどうか、一度検討してみてはいかがでしょうか。
公益法人事業部 鈴木 裕香
