iDeCoとは老後に向けた資金形成を目的に自ら掛金を拠出及び運用する私的年金制度です。豊かな老後生活に向けて、公的年金を補完するという役割を担います。
拠出した掛金は、小規模企業共済等掛金控除として全額所得控除の対象になり、所得税、住民税などの減税効果を発揮します。
令和7年度の税制改正で、iDeCoの掛金拠出限度額が引き上げられました。掛金月額上限の引き上げは、それぞれ以下のとおりで、2027年1月から適用される見通しです。
〇自営業者・フリーランスなどの第1号被保険者
国民年金基金とiDeCoの合算で月6.8万円➡月7.5万円(+0.7万円)
〇会社員などの第2号被保険者
・企業年金がなく、iDeCoのみの場合 月2.3万円➡月6.2万円(+3.9万円)
※企業型DCやDBの加入者も、iDeCoと合算して月6.2万円まで引き上げられました。
〇専業主婦・夫などの第3号被保険者
iDeCoのみで月2.3万円と変更ありません。
iDeCoは原則として60歳以降に一時金、または年金として受給可能です。一時金として受け取った場合は退職所得として退職所得控除を受けることができ、年金として受け取った場合でも公的年金等控除が適用されます。このように掛金拠出時だけでなく、受取時も税制が優遇されています。
なお、iDeCo等の一時金を受給した場合の退職所得課税は強化されます。 従来はiDeCo等の一時金を受給後、5年以上を経過した後に会社から退職一時金を受給することで、退職所得控除を満額受けることができました。改正により、この期間が5年から10年に延長されました。この改正は、今後退職一時金の支給が65歳以降へシフトしていくことに対して課税の公平性という観点から早めに対応された改正だと思われます。
堺事業部 瀬田