「知」の結集 ゆびすいコラム

2026.08.24

令和8年11月から消費税免税制度が変わる!「リファンド方式」をわかりやすく解説

令和8年11月1日から、外国人旅行者向けの消費税免税制度が大きく変わります。
新たに導入されるのが、「リファンド方式」です。
制度開始に向けて準備を進めておられる事業者もいらっしゃる一方で、まだ改正の内容をご存じない方も多くいらっしゃるかと思います。
 

まずは制度の概要をご説明いたします。

これまでの免税制度では、外国人旅行者などが免税店で商品を購入する際、その場で消費税を差し引いた金額(税抜金額)で購入することができました。

新しいリファンド方式では、購入時はいったん消費税を含めた金額(税込金額)を支払い、出国時に商品の持出確認を受けた後に消費税相当額が返金されます。

新しいリファンド方式での免税販売の流れは、大きく4つです。

1.店頭では「税込価格」で販売する
2.旅行者が出国時に商品の持出確認を受ける
3.免税が成立し、消費税相当額を返金する
4.(店舗側の会計処理)「課税売上」を「免税売上」に振り替える

 

それぞれの変更点とポイントを以下に簡単にご紹介します。

(1)店頭販売時
①販売価格
これまでと異なり、消費税相当額を含めた「税込金額」で販売することとなります。
 
②免税対象物品について
免税対象物品の範囲等については、現行制度よりもシンプルになります。
・区分の廃止(現行:「一般物品(家電・衣類等)」と「消耗品(食品・化粧品等)」を区分)
・購入上限額の廃止(現行:消耗品は上限50万円。なお下限額5,000円は変更なし)
・特殊包装の廃止(現行:消耗品は特殊包装が必要)
 
③免税購入対象者への説明内容
制度改正に伴い、免税購入対象者へ説明する内容も変更されています。
国税庁ホームページには、免税購入対象者に対する説明事項を記載したリーフレット(英語版、中国語版、韓国語版及び日本語版並びに多言語併記版)を掲載されています。
 
④購入記録情報の提供並びに税関確認情報の記録、保存
免税販売手続の際、旅券等情報などの「購入記録情報」を国税庁(免税販売管理システム)へ提供します。
リファンド方式では、当該情報が税関に共有され、出国時の持出確認が行われることから、購入記録情報を遅滞なく、正確に入力することが非常に重要になります。(税関確認が行えないと、購入者は原則として免税の適用を受けられません)

(2)出国時
購入者は購入日から90日以内の出国時に、税関で旅券等並びに免税対象物品を提示し、確認を受ける必要があります。
確認の際、同一の購入記録情報に含まれる免税対象物品のうち、ひとつでもその物品を所持していなかった場合には、その購入記録情報に含まれるすべての免税対象物品について、その確認を受けることはできません。(免税の返金が受けられません)

(3)免税購入対象者への返金手続(リファンド)
免税購入対象者へ消費税相当額の返金手続を行います。
実務的には、(1)③の対応も含め、承認送受信事業者に委託するのが一般的と考えられます。ただし承認送受信事業者の中には、そもそも返金に対応予定でない事業者や、購入記録情報の提供等には対応しない予定の事業者もあります。委託先がどこまで対応予定であるか、必ず事前に確認するようにしましょう。

(4)振替処理
リファンド方式では、商品販売時には一旦課税売上を計上し、免税販売成立後(上記(2)税関確認情報の取得時)に当該課税売上を免税売上へ振り替えることとなります。
国税庁のQ&Aでは、①税関確認情報の取得の都度、対応する課税売上を免税売上に振り替える方法 ②月次等で一括して振り替える方法 が紹介されています。
また税関確認情報を保存した期が販売を行った期の翌期となった場合、継続適用を条件に、修正申告をするのではなくその翌期において調整する方法も認められます。
いずれの方法を採用するか、事前に税理士と検討を行い、開始時から一貫した処理ができるように準備を進めましょう。


新しいリファンド方式は、令和8年年11月1日午前0時以降の販売から適用されます。
注意したいのは、現行制度と新制度を併用する移行期間がないことです。11月1日から新しい仕組みに切り替える必要があります。

免税店を運営している事業者は、まず、
「現在使っている免税システムは新制度に対応できるか」
「返金を誰が、どのように行うか」
「経理処理をどのように変更するか」
の3点を確認してみましょう。

リファンド方式への変更は、単なる免税手続の変更ではありません。店舗での販売から、出国確認、返金、経理処理まで、一連の業務の流れが変わります。

制度開始が近づいてきています。
システム会社や免税手続を委託している事業者、税理士などと相談しながら、準備を進めておくことが大切です。
 
 

税理士法人ゆびすい 大阪支店

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