「知」の結集 ゆびすいコラム

組織再編で知っておきたい「組織再編税制」

近年、後継者問題への対応や事業の整理・拡大などを目的に、中小企業でもグループ会社の再編などを検討する機会が増えています。会社の合併や事業の切り離しなどを行う際に、ぜひ知っておきたいのが「組織再編税制」です。
 

今回は、組織再編を検討する際に知っておきたいポイントを、4つに分けてご紹介します。

① 再編方法によって税負担が大きく変わる

組織再編には、税務上「適格」と「非適格」という区分があります。
一定の条件を満たす「適格組織再編」であれば、原則として資産・負債を税務上の帳簿価額で引き継ぐため、土地などに含み益があっても、その時点では譲渡損益の計上が繰り延べられます。
一方、「非適格組織再編」では、原則として資産などを時価で譲渡したものとして扱われます。
例えば、昔から所有している土地など、取得時より大きく値上がりしている資産がある場合には、想定していなかった税負担が生じる可能性があるため注意が必要です。

② 「適格」になるための条件とは?

適格組織再編になるための条件は、合併や会社分割などの再編方法や、会社同士の資本関係によって異なります
例えば、100%の資本関係があるグループ会社間の再編と、それ以外の会社間の再編では、確認すべき条件が異なります。
一定の資本関係がない会社間の合併や会社分割などでは、事業の関連性や従業員の継続、事業の継続など、複数の要件を確認する場合があります。
そのため、組織再編を検討する際には、自社のケースがどの要件に当てはまるのかを事前に確認することが大切です。

③ その他の税務・実務上の注意点

適格組織再編に該当したとしても、すべての税務上・実務上の問題がなくなるわけではありません。
例えば、過去の赤字(繰越欠損金)の引継ぎや利用が制限される場合があるほか、登録免許税、登記費用、専門家への報酬などが発生することがあります。
また、会社分割では、対象となる従業員への通知など、労働契約の承継に関する手続が必要となる場合があります。
事業に必要な許認可についても、そのまま引き継げるとは限らないため、事前の確認が必要です。
そのため、「適格になるか」だけでなく、再編後の税務への影響や費用、実務上の手続まで含めて検討することが重要です。

④ 組織再編は「決める前」が重要です

組織再編では、どの方法を選択するかによって、税負担やその後の手続が大きく変わることがあります。
事業承継やグループ会社の整理・再編などをご検討の際は、具体的な方法を決める前の段階で、ぜひ一度ご相談いただけますと幸いです。
 
 

2026.9.2

税理士法人ゆびすい 堺事業部

税金