契約書を作成する際、「収入印紙は必要なのか」「必要な場合はいくらの印紙を貼ればよいのか」と、判断に迷われたことはありませんか。
印紙税の対象となる文書は20種類あり、契約書の内容や記載された契約金額などによって、収入印紙の要否や印紙税額が異なります。
今回は、企業間の取引でよく見られる「第2号文書」と「第7号文書」の違いについてご紹介します。
第2号文書 請負に関する契約書
請負とは、当事者の一方(請負人)が仕事の完成を約束し、相手方(注文者)がその完成に対して報酬を支払うことを約束する契約をいいます。
建設工事のように建物などの完成を目的とする契約のほか、警備、機械保守、清掃など、無形の結果を目的とする契約も含まれます。
印紙税額は契約書に記載された契約金額によって異なり、課税される場合は1通につき200円からとなります。記載された契約金額が1万円未満の場合は非課税ですが、契約金額の記載がない場合は200円です。
第7号文書 継続的取引の基本となる契約書
特定の相手との間で継続的に生じる取引について、基本的な取引条件を定める契約書をいいます。
第7号文書にはいくつかの種類がありますが、代表的なものとして、次の要件をすべて満たす契約書が挙げられます。印紙税額は1通につき4,000円です。
① 営業者間の契約であること
② 売買、売買の委託、運送、運送取扱いまたは請負に関する取引であること
③ 2以上の取引を継続的に行うための契約であること
④ その取引に共通する基本的な取引条件として、次の6項目のうち1つ以上を定めていること
- 目的物の種類
- 取扱数量
- 単価
- 対価の支払方法
- 債務不履行の場合の損害賠償の方法
- 再販売価格
⑤ 電気またはガスの供給に関するものでないこと
ただし、契約書に記載された契約期間が3か月以内であり、かつ、更新の定めのないものは、第7号文書から除かれます。
第2号文書と第7号文書の区分
実務上、第2号文書と第7号文書の両方に該当する契約書があります。
両方に該当する場合は、契約金額の記載の有無によって、次のように区分します。
契約金額の記載がないもの……第7号文書
契約金額の記載があるもの……第2号文書
ここでいう「契約金額の記載があるもの」には、総額が直接記載されている場合だけでなく、月額料金と契約期間などから総額を計算できる場合も含まれます。
例えば、請負に該当する機械保守契約書に月額の保守料金が記載されていても、契約期間が定められておらず、総額を計算できない場合は、第7号文書の要件を満たしていれば、第7号文書となります。
一方、「月額保守料金10万円、契約期間1年間」と記載されている場合は、「10万円×12か月=120万円」と総額を計算できるため、第2号文書となります。この場合の印紙税額は400円です。
また、請負に該当する機械保守契約書で、保守料金の記載がなく、契約期間が3か月以内で、かつ、更新の定めもない場合は、第7号文書には該当しません。ただし、契約金額の記載のない第2号文書に該当するため、200円の収入印紙が必要となります。
このように、第7号文書に該当しなくても、第2号文書など、ほかの課税文書に該当する場合があります。
なお、実際の判定では、契約書の名称だけでなく、実質的な記載内容を確認することが重要です。
課税文書に必要な収入印紙を貼っていない場合、原則として、本来納めるべき印紙税額の3倍に相当する過怠税が課されます。ただし、課税文書の作成者が作成した課税文書について印紙税を納付していない旨の申出をした場合で、その申出が印紙税についての調査があったことによりその課税文書について3倍の過怠税の決定があるべきことを予知してされたものでないときは、その過怠税は、その納付しなかった印紙税額の1.1倍になります。
収入印紙の貼付漏れを防ぎ、事務負担を減らす方法として、電子契約の活用も考えられます。電子契約(電磁的記録)は印紙税の課税文書に該当しないため、収入印紙は不要です。