「知」の結集 ゆびすいコラム

忘年会のキャンセル料と消費税の取扱い

11月に入り、年末の忘年会に向けて飲食店の予約を進める企業も多いのではないでしょうか。
しかし、急な予定変更や参加人数の減少により、キャンセル料が発生することもあります。
実は、このキャンセル料は、解約手続きの対価であれば、「課税」、損害の補償であれば、「不課税」となることが基本です。
今回は、キャンセル料の消費税上の取扱いと実務上の注意点について解説します。

1.キャンセル料の消費税上の取扱い

消費税法基本通達5-5-2「解約手数料、払戻手数料等」では、キャンセル料について、その性質に応じた取扱いが示されています。

① 解約事務手数料に該当する場合【課税】
予約の取消しに伴う事務手続きなど役務提供の対価として支払うキャンセル料は、消費税の課税対象となります。

② 損害賠償金に該当する場合【不課税】
予約の取消しに伴い、本来得られるはずだった利益を補償する性質のキャンセル料は、役務提供等の対価に該当しないため、消費税の課税対象となりません。
なお、同通達では、キャンセル料に事務手数料と損害賠償金に相当する部分が含まれていても、両者を区分せず一括して授受する場合には、全額を不課税として取り扱うことが示されています。

このように、キャンセル料は、支払いの性質によって課税関係が異なります。そのため、実際の経理処理においても、その内容を正しく把握することが重要です。


2.実務上の注意点

では、実際にキャンセル料が発生した場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
まず、重要なことは、予約規約や契約内容を確認し、キャンセル料の請求根拠や内訳を把握することです。
たとえば、解約の時期に関係なく、一定額を事務手数料として支払う場合には、課税の対象となります。
一方、航空運賃のキャンセル料などで、搭乗区間や解約の時期によって金額が異なるものは、逸失利益等に対する損害賠償金に該当するため、課税の対象となりません。
また、キャンセル料が課税仕入れに該当する場合には、原則として適格請求書(インボイス)の保存など仕入税額控除の適用要件を満たしているか確認する必要があります。

このようにキャンセル料の消費税区分は、勘定科目等だけで判断するものではありません。
忘年会シーズンを迎えるこの時期、キャンセル料が発生した際には、支払いの実質を確認し、適切な消費税処理を行うことが重要です。
 

2026.11.02

税理士法人ゆびすい 堺事業部

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