「知」の結集 ゆびすいコラム

2009.06.22

未知の世界

近年で科学や技術などが急激に発展し、数々の謎を解き明かしてきました。そのため、もう世界にはわからないことなどないのではないかと思ってしまうほどです。しかし、まだまだわからないことだらけなのが現実です。

例えば、宇宙がその一つです。月への着陸には成功しましたが、他の惑星に生命体がいるかどうか、まだわかりません。宇宙の果ても、仕組みもまだわかりません。また、我々と同じような文明を持った生命体があるかどうかもわかりません。謎だらけです。

それから、深海の世界もまだまだ謎です。しかし、日本にはその未知の世界、深海の謎を解き明かそうとしている人がいて、それを可能にしているのは日本の技術力です。

2008年には、世界で初めて水温122度でも生きられる微生物がいることを証明しました。沸騰した水より高い水温でも生きている生物がいるのです。

しかし、その後さらにすごい発見をします。これは、海底6500mまで潜れる有人の探索機があったこそ発見できました。

見つかったのは水深2450mで水温365度の場所です。先ほどの微生物がこのような環境でも生きられることを発見しました。水圧、温度ともに過酷な状況で生きられる生物を発見したことは、大きな意味を持ちます。これは、他の惑星の過酷な環境でも、生命体がいるかもしれない可能性を示しました。

また、水深1万m超の海底の砂を採取することにも成功したそうです。そこで発見したのは、海底は生命体のいない死の世界ではなく、独自の世界が存在するということです。まだ、詳しくはわかりませんが、今後解明されていくことでしょう。

これらの研究を可能にしたのは、日本の技術力です。そして、この技術力を生み出したのは、未知の世界を探求したいという気持ちです。最初は探索機も水深100mしか潜れなかったそうです。

人間は何かを成し遂げようとする時、想像を超える力を発揮するのでしょうか。だとすれば、その力を発揮する場が会社であれば、素晴らしいものが生み出せるでしょう。そのような会社がたくさんあれば、日本はもっと元気になるかもしれませんね。

(上田純也)