「知」の結集 ゆびすいコラム

2009.08.26

税法と民法

 弁護士で税理士でもある関根稔氏は、民法は簡単な法律だといいます。

 それはこんな具合に説明できます。

 そろそろ高齢になってきたので、財産のことを考えないといけないな、会社を継いでもらう長男には株式と事業用の土地を、弟にも不公平にならないようにこれだけの財産は残して上げよう、後でトラブルにならないよう、子供たちにはある程度話しをしておいて、遺言にしておこう、という具合です。

 民法なんてまったく意識してませんが、以上はすべて民法の発想です。つまり常識を条文化したに過ぎないのが民法です。

 税法はどうか。自社の株式を後継者である息子に移したい、と考えれば、すぐにどう税金に影響するのか顧問税理士に確認しようと考えます。財産を誰かに移せば、税金に即かかわってくる、これは資産家であれば誰もが気にします。

 このように、常識では対応できないのが税法。そして常識である民法とは密接に関係しています。

 冒頭の関根弁護士が編集代表となり、下記の書籍が出版されました。taxMLという税法実務のプロ集団が徹底議論して生まれた書籍です。

税理士のための相続をめぐる民法と税法の理解 民法<相続編>を逐条的に事例解説 ぎょうせい 関根稔、間瀬まゆ子/編著  専門家にも資産家にも読みやすい「手許に一冊」の書です。

(税理士:白井一馬)