「知」の結集 ゆびすいコラム

2009.10.16

漢方薬の使い方

近年注目されている漢方薬。具体的にどのようなものか知っているでしょうか? 漢方薬は東洋医学に使われ、西洋薬(かぜ薬など)は西洋医学で使われます。

具体的にどのような違いがあるのでしょうか? 感染症を例にとると、東洋医学では漢方薬を使うことで患者の免疫力を高めて感染症にかかりにくい体質をつくるのに対して、西洋医学では薬によって細菌を攻撃して治癒能力を高めます。

薬の目的が違うことがわかります。

漢方外来では、体格や顔色、皮膚、舌の状態、声や口臭、自覚症状、脈診や腹診など全身状態を観察することで、患者に合った薬を数種類の中から選んで処方します。なので、西洋薬よりもはるかにオーダーメイドな治療が可能なのです。

最近では薬局でもすぐ漢方薬が手に入るようになっており、服用されている方も多いかもしれません。

しかし、あくまで薬であることを忘れてはいけません。人によっては副作用が表れることもあり、注意が必要です。できれば、漢方外来のある医療機関に行って、医師の処方を受けるのがいいかと思います。

漢方は体にやさしくて、体にいいイメージがありますが、使い方を誤れば危険です。何事にも使い方があり、それを間違えればいいことはありません。

日々医学は進歩していますが、昔ながらの漢方薬が今注目されています。税法でも同じようなことがあり、昔廃止になった母子加算や欠損金の繰戻し還付といった制度が見直されています。

進化するのも大切ですが、過去から学ぶことも多いということでしょうか。

(上田純也)