2007年に英レスター大学が発表した生活の満足度指数では、178カ国中デンマークが1位でした。つまり、もっとも幸せを実感している国ということになります。
日本は90位という結果でした。
デンマークは高福祉・高負担で消費税は25%になります。
しかし、日本では高福祉・高負担は企業の競争力を弱め、国民の生活水準を低下させる考えが強いので、採用されていません。
デンマークが高福祉・高負担で世界一幸せな国になった理由は何でしょうか?
それは、主に3つに分けられます。
1.強い経済
2.柔軟な労働市場
3.小さな所得格差と社会保障の充実
1つめは、強い経済を維持すること。
デンマークでは自由競争を徹底し、企業間の競争を極限まで追求し、競争力の強い企業が生き残り、弱い企業は潰れていきます。
そのため、競争力のある企業のみが生き残り、強い経済が実現されます。
2つめは、柔軟な労働市場を保つこと。
潰れてしまった弱い企業から強い企業に労働力を集めるには、移転しやすい柔軟な労働環境が必要です。言い換えれば、転職しやすい労働環境が必要とも言えます。
3つめは、小さな所得格差と社会保障の充実を図ること。
移転しやすい柔軟な労働環境を保つためには、再就職を支援することが必要です。
再就職後も急激な所得減をなくし、失業期間中も所得を補償する社会保障の充実がされています。
つまり、上記の3つが互いに連動することで、デンマークの社会は成り立っています。
うまくかみ合った政策がとられているため、デンマーク国民は幸せだと感じているのでしょう。
日本にも、デンマークをはじめとする、北欧の高福祉・高負担を参考にすべきだという意見もあります。
しかし、そのまま日本で真似すれば成功するというものでもないと思います。
日本の環境に適合するように導入しなければなりません。
消費税の増税も検討されていますし、日本の今後を決断する時期かもしれません。
(上田 純也)