「知」の結集 ゆびすいコラム

2010.08.11

工場野菜

今年は野菜価格が高騰しています。

春先に天候不順で野菜が育たなかったため、価格が高騰していましたが、最近また野菜価格が高騰しています。

豪雨を伴った梅雨で野菜に多くの水分を含んだところで、猛暑が続いたために葉が傷み、うまく成長しなかった作物があるからです。

こうした状況を受けて、スーパーでは特別値下げセールなどが実施されています。

しかし、野菜の価格が環境に左右されるため、経営的には不安定になっていまします。

そこで、注目されているのが「工場野菜」です。

工場内で人工的に制御された環境で栽培するため、天候に左右されずにコストが安定します。また、環境が一定のため、品質が安定して、味が変わらない点も評価されています。

もともと工場野菜はコストがかかり、競争が難しかったですが、コストダウンの努力と今年の野菜高騰を受けて、人気を得ているようです。

店で作った野菜をそのまま提供する「店産店消」というスタイルも生まれました。

新規参入の企業も増えて、今後も注目されることでしょう。

それから、アジアを中心に関心が高まっているようで、韓国・中国・香港などが興味を持っているそうです。

日本は工場内の空調やLEDで独自の技術を持っているため、先行したノウハウを持っています。

今後は、海外に誇れる事業の1つに成長していくかもしれません。

日本では農業自給率が問題になっていますし、世界的には天候不順が多くなっていると言われます。

日本をはじめ、各国で農業の担い手が不足している現状を打破するため、新たな方法といえるかもしれません。

農業のイメージが変わる日も近いのかもしれませんね。

(上田 純也)