10月1日からたばこ1本当たり3.5円の増税になりました。
増税の要因としては、喫煙者の減少による医療費の削減という目的が挙げられます。
医療費が削減されれば、健康保険による国の負担も減るので、財政が楽になります。
しかし、簡単にはいきません。
諸外国では、たばこを増税することで、違法たばこが増えたそうです。
海外から密輸したり、質の悪いたばこを本物そっくりにして売るのが手口みたいです。
そうなると、たばこ税が回収できません。
また、未成年の手に渡る可能性もありますので、危険です。
違法たばこが増えて、喫煙率が減らなければ、医療費は削減されません。
そうなれば、たばこ税の増税をした意味がなくなります。
こういった事情により、たばこ業界は緩やかな増税を主張しています。
一気に高額にするよりも、慎重に状況を見ながら対応策を練ることができるからです。
また、増税により禁煙を考えている人も多いようで、ある調査では喫煙者のうち44.1%の人が禁煙を考えているという結果がでました。
たばこ業界では、約25%の市場縮小を見込んでいるところもあるようです。
今回は大幅な増税になりましたが、諸外国に比べると、まだまだ日本のたばこの価格が安いです。
そのため、国は今後も「国民の健康」を守るという観点で、増税を実施する流れにあります。
2011年度の税制改正要望にも盛り込まれているので、さらなる増税も現実味があります。
社会的に増税を反対しにくい商品なので、避けられないのかもしれませんね。
(上田 純也)