「知」の結集 ゆびすいコラム

2011.01.24

四半期決算の簡素化

2008年の4月から始まった四半期決算の開示ですが、2011年の4月からは簡素化されそうです。

現在は、四半期ごとに損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書の四半期の数値(3か月分)と期首からの累計の両方が記載されています。

しかし、4月からは以下の3点が変更されそうです。

1、開示の内容 2、キャッシュフロー計算書の開示時期 3、注記の省略 「開示の内容」については、期首からの累計の数値のみが義務化となり、四半期の数値は任意開示となりそうです。

「キャッシュフロー計算書の開示時期」については、第1四半期と第3四半期の分が省略されそうです。

「注記の省略」については、1株当たり純資産額・発行済み株式総数等の注記が省略されそうです。

今後、IFRSへ移行するうえで、日本の負担は大幅に増えることになります。

しかし、アメリカやアジアなどの各国では、IFRSを適用しているか、それに近い会計基準が採用されている国が多いのが現状です。

そのため、海外と競争していくうえで、少しでも負担を軽減しようとしたのが、今回の簡素化の背景のようです。

海外の大企業と競合するには、体力が必要だと思います。

その体力を、内部で使い切らないためにも、負担は減る方がいいでしょう。

しかし、開示が義務化でなくなるだけで、任意で開示する企業も多いかもしれません。

そうなれば、今回の簡素化もあまり意味がありません。

どちらにせよ、海外との競争に勝つことが日本の課題と言えそうです。

(上田 純也)