「知」の結集 ゆびすいコラム

2011.03.22

本態性振戦

緊張すると、手が震えるという人も多いのではないでしょうか。

この震えにも、病名があるのです。

「本態性振戦」という病名です。

本態性とは、原因の特定できないという意味なので、簡単にいうと原因のわからない震えというところです。

生活習慣や環境、遺伝的素因などが複雑に絡み合って発症すると言われています。

人間の体には内蔵の機能を支配する自律神経がありますが、自律神経は交感神経と副交感神経から成り立っています。

交感神経は活発な時に働く神経で、副交感神経はリラックスした時に働く神経です。

人間は、この2つがバランスよく機能することで、健康が保たれています。

本態性振戦は、長く緊張状態にいることで、交感神経が働き、副交感神経が働きにくくなり、バランスが崩れることで起こると言われています。

そのため、震えを止めるためには、リラックスすることが1番効果的みたいです。

つまり、緊張しないことが、1番の対処法ということになります。

そりゃそうだろう、という感じですよね。

緊張しないためには、深呼吸などがよく言われますが、震えを止めることは、興奮を抑制する薬を投与することで、止めることもできます。

本態性振戦は、震え以外の症状がでないのが特徴なので、もし他の症状がでるようなら、他の病気かもしれませんので、注意が必要です。

薬まで投与して震えを止める場面はあまり考えにくいですが、よく緊張に悩まされる人は必要かもしれません。

緊張しないようになれるなら、それが1番いいのですが。

(上田 純也)