「知」の結集 ゆびすいコラム

2011.08.19

住宅ローンの繰り上げ返済のタイミング

人生最大の重荷、住宅ローンの負担を少しでも軽くするのが繰り上げ返済です。特に、60歳以降にも住宅ローン返済が続くような場合には、期間短縮型の繰り上げ返済を計画的に行って、できれば定年退職時にはローンが終わっていれば理想的といえます。

繰り上げ返済は、早いうちに行うほど利息軽減率が高くなります。元利均等型であれば、元金が早く減ればその分の利息分が軽減されるからです。

しかし、住宅ローン控除を受けている間は事情が異なります。住宅ローン控除は、年末時点の住宅ローン残高が対象となります。もし、12月のボーナスを受け取ってすぐに繰り上げ返済すると、住宅ローン残高がその分減って、控除額も減ってしまいます。例えば、控除率が1%の場合、100万円を繰り上げ返済すると、控除額は1%の1万円だけ減少します。

住宅ローン控除を受けている間に繰り上げ返済を年明けまで待つと、年末の住宅ローン残高は減らなくて済みますが、その一方で、返済が1ヶ月遅れる分だけ利息軽減効果は減ることになります。利息軽減効果が1ヶ月でどれだけ減るかは金利水準や繰り上げ返済時期によって異なり、その計算は複雑です。 すべてのケースにおいて繰り上げ返済を年明けまで待ったほうが得をするということではないですが、一度検討されてみてはいかがでしょうか。

(宮永 淳平)