「知」の結集 ゆびすいコラム

2012.08.22

電気自動車の課題

ハイブリッドカーと共に環境車として注目される電気自動車。二酸化炭素を排出しないため、期待は大きいです。しかし、電気自動車にも普及に向けた課題があります。

電気自動車の弱点はズバリ1回の充電で走れる距離です。ある電気自動車では、エアコンを使いながら走れる距離は100km程だそうです。また、家庭用のコンセントで充電する場合、200ボルトの電源で約7時間。100ボルトの電源で約14時間ほどで、フル充電状態になるみたいです。

1日で100km以上車に乗る方は、そんなに多くないかもしれません。しかし、いざ残量が少なくなった時は、充電しなければなりません。

そこで、必要となるのが「急速充電器」です。急速充電器を使えば、30分程で8割程度まで充電できます。

ということは、急速充電器を普及させて、どこでも充電できるようにすれば、問題を解決できるわけですが、急速充電器を普及させるにも、課題があるみたいです。

急速充電器を普及させる課題は、主に3つです。

1.導入コストが高い 2.事業性が低い 3.急速充電器の必要性が低い 1つ目の課題ですが、急速充電器を1基設置するのに、800万円以上の初期投資がかかります。よって、数多く設置することがとても難しいのです。

2つ目は、電気料金が安すぎるため、急速充電器を設置しても、事業として成り立たないのです。1度の充電にかかる費用は、200円程だそうです。ガソリンの給油に比べると、差は歴然です。

3つ目は、長距離運転をする機会が少ないことです。企業で電気自動車が導入されたとしても、100km以上も離れた場所に車で行く機会はあまり多くないのです。そのため、夜間に自社のコンセントで充電すれば、十分に事足ります。

以上の3つの理由により、急速充電器はあまり普及していません。今後もどの程度普及するかはわかりません。国が何か政策を出せば、普及するのでしょうね。

今後、一般的にもっと電気自動車が普及すれば、きっと状況は変わるでしょうから、今後の展開が気になります。

電気といえば、太陽光発電の買い取り価格を2倍に引き上げるため、数年後に各家庭の電気代が値上がりするという話があります。なので、電気代が値上がりすれば、急速充電器も普及するかもしれませんね。しかし、環境問題のために電気代が値上がりするのなら、実質は環境税と捉えることも可能しれません。数年後には、消費税も上がっているかもしれませんから、負担は増える一方ですね。負担を増やして、環境が良くなっていくのしょうか。

(上田純也)