「知」の結集 ゆびすいコラム

2013.09.11

知らないと損をする?

みなさん、雑損控除という制度をご存知でしょうか? この制度は、災害又は盗難若しくは横領によって、資産について損害を受けた場合等に、一定の金額の所得控除を受けることができるというものです。

 この制度の適用を受けるには、確定申告書に雑損控除に関する事項を記載するとともに、災害関連支出の金額の領収を証する書類を添付する必要があります(給与所得のある方は、このほかに給与所得の源泉徴収票(原本)を申告書に添付してください)。

 また、医療費控除という制度もご存じでしょうか? この制度は、その年の1月1日から12月31日までの間に支出する医療費の額が、一定額を超える場合には、一定の金額の所得控除を受けることができるというものです。

この医療費控除は、本人のみならず、本人と生計を一にする配偶者や、親族の医療費が一定額を超えると適用を受けることができ、適用を受けやすい制度です。

 この制度の適用を受けるには、医療費控除に関する事項を記載した確定申告書を提出する必要があります。

この雑損控除と医療費控除のポイントは、確定申告を行わないとその適用を受けることができないところにあります。つまり、知らなければ、これらの制度の適用を受けることはできません。

特に、会社にお勤めのサラリーマンの方の場合、年末調整によって所得税額が確定し、納税も完了しますから、通常、確定申告の必要はありません。そのため、本来、医療費控除を受けられるのに、申告をしないことによって、適用を受けず、損をすることが多々見受けられます。

 確定申告は、更正の請求という制度により、最大過去5年間までさかのぼって訂正をすることができます。1年間の医療費の支出額が高額で、医療費に関する領収書を保存している方は、今からでも所得税の還付を受けることができるかもしれません。是非、税理士にご相談ください。

このような制度を知って、損をしないようにしましょう。

(天谷 翔)