「知」の結集 ゆびすいコラム

2013.12.19

目には見えない商品を売る

題名を一言で言うならばサービス業となります。物を作り、それを売ってお金をもらうのは、商品としての物があるだけにわかりやすいですが、やはりサービスだけを売るのは独特の難しさがあります。

上記の話につながる話が、カード会社社長の新聞記事のコラムにありました。

広島県に観光で訪れたときのこと、社長は厳島神社等の観光地の他に一際心を奪われたのがもみじ饅頭だったそうです。

饅頭の製造機械の精密かつユニークな動きが面白く、お店はその製造過程が見えるようになっていました。それを見た観光客はこぞって饅頭を購入しています。

減退する購買意欲を刺激しようと日本の小売店では実演や体験をする場が増えています。

商品を雑誌等で見るのとは違い、使ったり、においをかいだり、またお店の人から話を聞くことで、五感が刺激されます。

ニーズを創出するためには、顕在的なニーズに応えるだけでなく、潜在的なニーズを引き出す工夫が必要で、購入体験というのが一つのテーマです。

カード会社であるので社長はポイントプログラムを改定したそうです。グッズ交換だけでなく、スキューバダイビングなどの体験型の交換アイテムを投入しました。自身の体験を早速自社へ反映させています。

この記事では、カード会社であるため、小売店の話を一切しないで、サービス業の話ばかりをすると思っていた私の予想は裏切られました。

我が国の第三次産業が、GDP(産業計)に占める割合は7割弱で推移しています。しかし頭打ちという訳ではありません。この社長のように、たとえ観光をしていても、もみじ饅頭の製造の現場から伺えるビジネスの観点と、そこから自社へ反映させる行動力を常に持っていれば、成長し続けることは可能ではないでしょうか。

峯岡