大変だった確定申告もようやく終わり、当社では一足早く、入社式がありました。
このブログを読んで下さっている方の中にも、来週には入学式・入社式などでまた新たな気持ちで新年度をスタートさせる方もいるのではないでしょうか。
スタートと言えば、税の世界でも、来週4月からは消費税8%がスタートされます。この消費税の増税に関する影響は様々あります。その中でも私が関心を持ったのは、4月からの学校法人等の学費の値上げです。本来、学校等が行う教育に関する役務の提供に関しては、消費税法6条の規定より消費税は非課税となっています。しかし、学校法人等においては、支出の面において消費税の増税の影響を受けるため、学費の値上げを行っているようです。
そこで、こうした学費に関する問題について、税法上使える規定を紹介します。
まず、最近話題となっている「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税(租税特別措置法70の2の2)」の利用があります。この規定を適用することは平成27年以降の相続税増税(基礎控除額の減額等)に対する事前の節税対策にも繋がります。ただ、この規定の適用を受ける場合、金額の要件やその他の細かな条件があり注意が必要です。
また、従来から教育費に充てるために贈与を受けた財産のうち「通常必要と認められるもの」については贈与税の課税対象とならないといった規定(相続税法21条の3②)があります。この規定のポイントは扶養義務者相互間の条件が付いていることです。
学費などの教育資金の贈与を行う場合、どちらが自分に合った制度か判断して適用しましょう。因みに、相続税法21条の3の適用に関しては申告義務がありません。
今後の消費税の増税、そして、平成27年以降の相続税の増税に関しては、多くの方が悪いイメージを持っていると思います。しかし、税制改正は増税に関するものだけではありません。減税に関する規定を上手に活用して、早い段階から対策を検討していきましょう。
(西村 将人)