「知」の結集 ゆびすいコラム

2014.04.30

預金口座にマイナンバー!?

昨年の通常国会において、「行政手続きにおける特定の個人を 識別するための番号の利用等に関する法律」が成立しました。

2015年の秋口に番号の通知が開始され、2016年1月からは、 個人番号カードの交付や、社会保障・税・災害対策の3分野 における個人番号(以下「マイナンバー」という)の利用が 開始される予定です。

現在、首相の諮問機関である政府税制調査会のマイナンバー・ 税務執行ディスカッショングループでマイナンバーの活用に おいての議論がされています。

4月8日に行われた会議で、社会保障と税の共通番号制度の 使い方を広げ、金融機関の預金口座に預金者のマイナンバー の登録を義務付けることを早急に検討するべきとの方針で一致 しました。

ディスカッショングループの会議資料によれば、社会保障に ついての所得・資産要件を適正に執行する観点や、適正・公平 な税務執行の観点からは、国民の多くが保有する預金が把握の 対象から漏れている状態は改めるべきであるとしています。

預金口座へのマイナンバー付番により、個人資産をより正確 に把握できるようになることから上記課題の解決の他、マネー ロンダリング対策や預金保険などでの名寄せ、災害時の迅速 な対応といった場面でもその効果が期待できるとしています。

しかし、個人預金口座は10億口座を上回るとされており、金融 機関のコストや個人情報の漏洩のリスクが高いなどの観点から 運用実現には課題も多くあります。

マイナンバーの活用に関してはまだまだ検討事項が多くあり、 今後どのような議論がされるのか動向に注目です。

(小田上卓矢)