「知」の結集 ゆびすいコラム

2015.08.05

プレミアム付商品券でお買い物

全国の約97%の自治体が額面よりお得なプレミアム付商品券を今年の5月頃から順次発売したのはご存知でしょうか? 内容としては、10,000円で12,000円分の商品券を購入できるなど、販売価格に一定のプレミアム分を上乗せした商品券のことです。つまりそのプレミアム分だけ、消費者はお得にお買い物ができるということですね。

多くの自治体で販売は終了していますが、実際の利用はこれからという自治体も多いようです。

兵庫県の明石市では、7月~9月に同市に転居した方、1人当たり12,000円分のプレミアム付商品券を贈るなど、制度のおもしろい活用例もあるようです。

国(自治体)の狙いとしては、2014年4月に消費税が5%から8%に増税され、その駆け込み需要とその反動などにより低迷している個人消費を喚起したいのでしょう。

たしかに、消費税の増税以降、節約志向と品質志向という相反する消費者意識が高まっているという記事を何度か新聞で読んだことがあります。つまり「安く良いものを」という志向が働き、「買い渋り」をされる方が増えてきているということでしょう。

そんな中、プレミアム付商品券はどのような効果を生み出すことができるのでしょうか。

私はまずプレミアム商品券の捉え方は2パターンあると考えました。

●パターン1 いつも買わない少し高価なものを買おうと考える。

●パターン2 いつも通りの買い物に使ってプレミアム分は貯金にまわそうと考える。

パターン1では、商品券がなかった場合に比べて個人の消費を喚起できているのは一目瞭然です。問題はパターン2のときです。この場合、自治体から個人に給付をしただけになってしまいます。国側としてはパターン1になることを祈っていることでしょう。

しかしたとえ一時的に消費が喚起されても、その反動による「消費減」の可能性は否定できないと考えます。つまり「需要の先食い」と「反動減」の両者を勘案して本当の効果を図ることができるといえるのではないでしょうか。

この政策の成果を図るにあたっては、プレミアム商品券の利用期間が終了した時点での個人消費の押し上げ率ではなく、もう少し長い目で見た個人消費の動向を見ておく必要がありそうですね。

今回、プレミアム付商品券を購入された方は、いつもより少し良いお肉を買ってみたり、堅実な方はプレミアム分を貯蓄にまわされることでしょう。

また、今回購入できなかった方は、今回ご紹介した以外の方法で「お買い物上手」になる方法を考えてはいかがでしょうか。情報は意識しておかないと、見逃してしまいそうですね。

ちなみに、なんば心斎橋エリアでは、不定期的に「みんなdeミナミ」という商品券が期間限定で販売されたりしています。

大丸心斎橋や大阪高島屋、心斎橋OPAなど難波心斎橋エリアの主要商業施設も対象になっていて、私もいつも買っています。

難波や心斎橋でよくお買い物をされる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

消費税が増税傾向にある今、うまく買い物する技術が「安く良いものを」さらには、「貯蓄」にも一役買ってくれそうです。

(森山 享亮)