「知」の結集 ゆびすいコラム

2015.08.20

今とは違う売上を求める

「景気回復」を耳にしますが、中小企業はまだまだ回復と呼べる状況ではありません。

事業の効率化、主に経費削減によりこの厳しい状況を耐え続けています。

今まで日本景気が悪いという状況で、この厳しい状況をどう乗り切るかを常に考えてきましたが、景気が良くなってきている現状で回復が遅れている今、ふとある疑問が頭をよぎります。

「はたして、景気が良くなればわが社も本当に回復するのか?」 景気が悪かった期間が長く続きましたが、その間にも刻々とあらゆる変化が起こっています。国内産業は訪日外国人(インバウンド消費)期待を除けば人口減少というマーケットの縮小に直面しています。また、個人の生き方そのものに変化があり、今までの購入思考(パターン)に大きな変化がみられます。

これらを鑑みると、景気がどうこうではなく、今までの「商い」の仕方に変化が必要なのではないか?という結論にたどりつきます。

帝国データバンクに「“本業”の現状と今後に対する企業の意識調査」というレポートがあります。要旨は以下の通りです。

1.創業時(設立時)と現在とを比較して、企業の47.7%で“本業(売上額ベース)”が変化。また、約半数の企業は今後10 年間で本業が変わる「可能性はある」と見込む。

2.“本業”が変化したきっかけは「本業以外の事業の拡大」が5 割超で最高。また、その内容は「主要取扱商品・サービス」が8 割を超えており、「業種転換」は16.2%にとどまる。

3.自社の“本業”市場が今後「縮小する」と見込む企業は47.5%。「拡大する」と見込む企業は19.7%にとどまる。また、今後実施・検討する事業展開は「本業の国内取引先を深める」「本業での新商品・サービスの展開」が5 割超。

中小企業は金銭面等の理由で、業種転換などドラスティックに現状を変化させることはほぼ不可能です。本業を軸にどう売上、粗利を伸ばすか。レポートの結果の様に、約半数の会社は新たな本業(売上)を生み出し、今まで事業を継続しています。

本業について最も内容・状況(マーケット環境等)を熟知しているのは経営者です。その本業に付随する周辺事業の開拓、付加価値の高い商品の開発など内容等を熟知しているからこそ新たな本業を生み出すことができると思います。

また、レポートにもありますが、本業が変化したきっかけで「経営者の交代」が24.0%と高かったのも注目です。新しい考え方・視点が重要であることを示しています。

思考(アイデア)が商品・付加価値を生み出します。

今とは違う新しい売上を求めましょう。

※帝国データバンクでは、毎月調査レポートをアップしているようです。

興味を引く調査レポートはありませんか?一度チェックしてみてください。

http://www.tdb-di.com/visitors/index.htm 樋上 視一