「知」の結集 ゆびすいコラム

2016.03.11

医療法人の出資持分の贈与

確定申告も残すところあと一週間になりました。
みなさま今年の贈与税の申告はお済みでしょうか?

すでに申告がお済みの方はお気づきだと思いますが、今年は2点ほど例年と異なることがありました。
1点目は、出資持分評価をする際に用いる類似業種比準価額です。当初、平成27年に使用できる類似業種比準価額(H26平均)は、アベノミクス効果のため高くなることが予想されましたが、実際は異なりました。

[類似業種比準価額]~業種目「118 その他の産業」~
平成26年平均 248円
平成25年平均 446円
平成24年平均 196円
平成23年平均 200円

それは、医療法人が、類似業種の分類上「医療・福祉」ではなく、「その他の産業」に分類されるからです。
「その他の産業」は、毎年標本会社が変わるため予測が困難です。まだ27年の平均は発表されていませんが、どうなるのでしょう?

2点目は、27年の贈与より「20歳以上の者が直系尊属より贈与を受けた」場合、通常の税率より低い特例税率が適用されることです。
相続税の増税と対をなす贈与税の減税策です。相続税対策には非常に有効だと考えますので、27年に考慮し忘れた方は今後お気を付けください。

また、この改正は、戸籍謄本など条件を満たすことを証する一定書類を添付する必要があります。本籍地が遠く取得までに時間が掛かる方は注意が必要です。



(矢部恭章)
 

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