「知」の結集 ゆびすいコラム

2016.03.16

東日本大震災5年

今年で震災から5年が経ちました。 
震災では地震、津波、原発と様々な形で被災された方が沢山いらっしゃいます。 
そして、5年経った今でも17万人以上の方が避難生活を強いられています。
 
その中でも原発事故のあった福島県が避難者も多く復興が遅れています。
先日、福島第一原発のある「浜通り」地方を訪れました。
今回は、原発周辺の現在を紹介したいと思います。

平成27年度より学校法人会計基準が改正になり、固定資産の評価等の会計処理の取扱いが定められました。 
それによりますと近年、大規模な災害等により学校法人が保有する校地校舎等の固定資産資産の使用が困難となり、かつ処分も出来ないような状況が生じた場合、貸借対照表の資産計上額から除くことが出来る(有姿除却)ことが認められました。
そして、実際にこの被災地にある法人の固定資産の状況を確認するために今回訪れた次第であります。

ご存じの方がどれくらいいらっしゃるのか分かりませんが、福島第一原発のある浜通りは、国道6号線という道路が去年通れるようになりました。(場所によっては放射線量が高いので車でしか通れない地域もありますが・・) また、常磐自動車道という高速道路も開通しており、第一原発の近くを通ることができます。
また、数年後にはJR常磐線の全面復旧も決まり、線路の復旧工事が進められています。  復興のための交通インフラの整備といったところでしょうか。

帰還困難区域の指定が当分解除されないため、もう戻れないと判断し移転する方、避難指示解除が予定され、復興の街づくりのため行政からの依頼もあり事業を再開しようかどうか悩んでおられる方、様々いらっしゃいます。
震災から5年が経ち、あの日、着の身着のままで避難した町は5年前の3月11日のまま。 
津波被害を逃れた国道沿いの町に家々は当時のまま残ってはいますが、町に人は居ません。 
帰還困難区域となり、町に入れなくなった町はゴーストタウンと化して家畜が野生化し辺りを徘徊しています。

その町に人が再び戻ってくるには一体どのような手立てを施せばいいのだろうかと途方に暮れながら町を通過しました。

ただ一つだけ思ったのは、二度とこのような事故があってはならいということ。
ふるさとをこんな町にしてはいけないということ。
原子力をエネルギーとして利用する事の是非を議論する際には一度、これらの町の今の現状を自分の目で見て、感じて、そして原発は必要なのかを考えなくてはならないと強く感じました。

大道厚生

 

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