「知」の結集 ゆびすいコラム

2016.10.28

空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例

[概 要]

空き家の発生を抑制し、地域住民の生活環境への悪影響を未然に防ぐ観点から、被相続人の居住の用に供していた家屋を相続した相続人が、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に、その家屋(その敷地を含みます。また、その家屋に耐震性がない場合は耐震リフォームをしたものに限ります。)又は除却後の土地の譲渡(相続時から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡に限ります。)をした場合には、その家屋又は除却後の土地の譲渡益から3,000万円を控除することができる制度が導入されました。

[適用要件]

①被相続人が居住していた家屋及び土地を相続したこと
②相続した家屋は昭和56年5月31日以前に建築されたものであり、区分所有建物に該当しないこと
③相続開始時に、被相続人以外に居住者がいなかったこと。
④譲渡をした家屋または土地は、相続時から譲渡時点まで、居住、貸付、事業の用に供されていたことがないこと。
⑤譲渡価額が1億円を超えないこと。

⑥相続時から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、その家屋(耐震性がない場合は耐震リフォームをしたものに限る。)及びその敷地又は家屋取り壊し後の土地を譲渡すること。

注意すべき点は、③の「相続開始時に被相続人以外に居住者がいなかったこと」です。
あくまで相続開始時に一人で被相続人が暮らしていることがこの特例では要件となります。

そのため、たとえば相続発生直前に自分の両親がその家に住んでいた場合などは、適用できませんので、ご注意ください。

(中村 忠) 

税 金