今回の確定申告で、特定口座や上場株式配当を申告して、所得税の還付を受けられた方も多かったと思いますが、
1つ注意点があります。
源泉徴収がされている特定口座や上場株式配当は、申告不要制度があり、基本的に申告するかしないかは任意です。
そこで、所得税が有利になるからと安易に申告してしまうと、
国民健康保険料が上がったり、医療費の負担割合が3割に上がって、結果的に損をしてしまうことがあります。
所得税の確定申告をすると、住民税も同様の内容で申告したことになり、
その住民税の申告内容をベースに、国民健康保険料や医療費の負担割合が確定するからです。
社会保険関係で影響があるものとしては、下記が挙げられます。
・医療費の負担割合
・国民健康保険料、後期高齢者医療保険料
・介護保険料
さらに、保育料、児童手当などなど、様々な制度へ影響するので、とても怖いです。
しかし、これを回避する方法があります。
平成29年税制改正大綱において、所得税と住民税で異なる課税方法を選択できることが明確化されました。
つまり、住民税では、特定口座や上場株式配当といった所得を除外して(申告不要制度を選択して)、
市役所へ、住民税の申告書を提出すれば、上記の影響は回避できます。
所得税の還付だけを受けられるわけです。
この住民税の申告は、住民税の納税通知書が送達されるまでに行えば良いので、まだ間に合います!
税理士 高田祐一郎