「知」の結集 ゆびすいコラム

2018.04.16

決算賞与を支給する場合の注意点

決算にあたり、課税所得が出ている会社は、節税対策として、決算賞与の支給を予定されている社長様もおられることでしょう。

今回は、決算賞与を支給する場合の注意点についてお話します。

事業年度終了日までに賞与を支給していれば問題はないのですが、決算をまたいで賞与を支給する場合は、注意が必要です。
原則的に、税務上は、事業年度末日までに確定した債務に限り、損金として計上が認められています。そのため、実際の賞与の
支給日が翌期になる場合は、支払った日(翌期)の損金となります。しかし、例外的に、決算で未払計上を行い、今期の損金とする

場合には、以下の要件のすべてを満たさなければなりません。

【通知日の属する事業年度に損金算入できる要件(令72の3)】
①支給額を、各人別に、かつ、同時期に支給を受けるすべての使用人に通知していること。
②①の通知をした金額を通知をしたすべての使用人に対し通知をした日の属する事業年度終了の日の翌日から一月以内に支払って
いること。
③その支給額を通知をした日の属する事業年度において損金経理していること。

※上記の要件は、当期末までに支給予定日が到来していない場合の損金算入要件です。

従業員さんへの支給通知を翌期になってから行う場合や、資金繰りの都合で、実際の支給日が一月後になってしまう場合もあるかも
しれません。

税務調査で否認されている事例もありますので、決算賞与が未払計上される予定の会社は、上記の要件を満たすように注意してください。また、税務調査に備えて要件を満たしていることを説明できるような書類を保存しておくことが、指摘リスクの軽減に繋がるでしょう。

宮嶋 亜湖

税 金