「知」の結集 ゆびすいコラム

2018.06.18

メルカリにも税金が…

2018年6月19日、ついに東証マザーズにフリーマーケットアプリの最大手「メルカリ」が上場することになりました。
メルカリを知らない方もいると思いますので簡単に説明すると、メルカリはラテン語で「商いする、市場」という意味です。そのため、メルカリの利用者はインターネット上で簡単に個人間での商取引が可能になります。
多くのメルカリ利用者は、タンスや倉庫に眠っていてほどんど使用しなくなったものをメルカリに登録して、それを必要とする方に販売するために利用します。
当然、販売するわけですから金銭を伴い、それについては税金という問題が生じます。
 
「気を付けなければならないメルカリの税金」
メルカリ利用での税金ですが、個人間での売買となるため注意すべきは所得税になります。
所得税には、所得税法9①九に「生活の用に供している家具、じゅう器、衣服などの生活に通常必要な動産の譲渡による所得に対しては、所得税は課税しない」と規定しています。そのため、メルカリの売買では税金は発生しないと感じる方もいるかもしれません。
しかし、注意すべきは所得税法施行令25条にあります。
所得税法施行令25条には、次に掲げる資産で1個又は1組の時価が30万円を超えるものの譲渡による所得については譲渡所得として課税するとしており、
1.貴石、半貴石、貴金属、真珠及びこれらの製品、べっこう製品、さんご製品、こはく製品、ぞうげ製品並びに七宝製品
2.書画、こっとう及び美術工芸品
となっています。
そのため、これらの資産の譲渡で30万円を超える場合には、確定申告の可能性があると思いましょう。
 
さらに、給与所得者の場合、給与所得及び退職所得以外の所得の合計額が20万円以下である場合には確定申告不要となっています。
つまり、30万円で購入した書画をメルカリで120万円で売却した場合、譲渡所得の計算が
120万円-30万円-50万円(特別控除額)=40万円となり、20万円を超えるため確定申告が必要になります。しかし、書画が長期譲渡所得(所有期間5年超)に該当する場合には、40万円×1/2=20万円となり、確定申告不要となります。
 
その他、所得区分の判定についても継続的にメルカリでの販売を行っている場合には、譲渡所得ではなく事業所得に該当する場合もあります。
登録手続きをすれば簡単に利用でき便利なメルカリですが、突然税務署から思わぬ税金を指摘されるかもしれません。困った際には、ぜひ、税理士先生にアドバイスをもらい適正な申告を行うようにしましょう。
 
西村 将人
 
 
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