「知」の結集 ゆびすいコラム

2018.12.03

『幼児教育無償化について』

ご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、2018年6月に、2019年10月から幼児教育・保育の無償化を目指すことを盛り込んだ財政運営の基本方針が閣議決定されました。
背景として少子高齢化対策が挙げられます。子育て世代への投資のため、子育て世帯の負担を軽減し、全ての子どもたちが質の高い教育を受けられるように、消費税増税と同じタイミングで実施することが決まっています。
今回のコラムでは現時点で決定されている無償化の対象をまとめています。
 
幼稚園、保育園、認定こども園
<3~5歳>
・すべての子供たちの利用料が無償化(幼稚園保育料の上限は月額25,700円)
・実費徴収されている費用(通園送迎費、食材料費、行事費等)は無償化の対象外
<0~2歳>
・住民税非課税世帯は無償化
 
幼稚園の預かり保育
・保育の必要があると認定を受けた場合、預かり保育の利用料が無償化されます。(上限11,300円。保育料の無償化部分25,700円を合わせると上限37,000円)
※保育の必要があると認定を受けた場合とは、2号認定と同等の認定を受けたということで、認可保育所へ入園申し込みを行い入園できなかったことではありません。
 
保育所・認定こども園の延長保育料
・無償化の対象外
 
認可外保育施設等
※保育の必要性があると認定され、認可保育所や認定こども園を利用できていない者に限られます。(認定こども園を利用し、且つ認可外保育施設を利用する場合は×)
<3~5歳>
・月額37,000円までの利用料が無償化
<0~2歳>
・住民税非課税世帯は月額42,000円までの利用料が無償化
 
内閣府の資料が掲載されておりましたのでご参考までにどうぞご覧ください。
 
7000億円以上の財源がかかるとも言われてるこの政策ですが、検討事項や課題も多く残されています。例えば、今まで幼稚園や保育園に通えなかった子供たちも施設を利用できるようになり、園児数が増えるとただでさえ不足している保育士の負担がさらに大きくなり、結果保育の質の低下にもつながりかねません。また、幼稚園での預かり保育も利用者数が増えることが見込まれますので、人件費も比例して増加し保育士・教員のシフトの課題も発生し、預かり保育そのものを撤廃する施設もでてくることが予想されます。
課題もある中、今まで経済的な理由で施設に通わせることができなかった家庭や、園児数の増加を図っている施設では子供が増えるチャンスともとらえることができるため、制度を利用し後手をとらないためにも今後の動向を注視し制度をよく理解することが大切です。
 
名古屋事業部 飯見正太郎
 
 
教育・福祉事業