「知」の結集 ゆびすいコラム

2019.01.21

子ども・子育て支援新制度の経過措置について

平成27年4月1日に施行された子ども・子育て支援新制度はもうすぐ施行から四年が経過しようとしています。
 
方向性の提示という段階ですが今回は第37回子ども・子育て会議(平成30年10月9日開催)で検討された5年間の経過措置について整理したいと思います。
 
幼稚園教諭免許と保育士資格の両方を保有している割合は平成28年度 87.8%、平成29年度 89.2%、平成30年度 90.4%と増加傾向にありますが、残りの期間で解消できるようなペースでは増加していません。
 
これに代表されるように現場の従事者に関する項目の経過措置が延長される模様です。
詳しくは以下の通りです。
 
①5年間の期限延長が見込まれるもの
◆幼保連携型認定こども園における保育教諭の資格特例
 ⇒幼保連携型認定こども園で勤務する保育教諭については、幼稚園教諭免許状と保育士資格の併有が必要とされているが、いずれか一方の免許状・資格のみで保育教諭等となることができる。
◆幼保連携型認定こども園における保育教諭の幼稚園免許状及び保育士資格取得の特例
 ⇒片方の免許状・資格を持ち、一定の勤務経験を有するものについては、大学等で一定の単位を履修すること等でもう一方の免許状・資格の取得ができる。
◆幼保連携型認定こども園における保健師、看護師、准看護師のみなし保育教諭の特例
 ⇒乳児4人以上が利用する幼保連携型認定こども園に勤務する保健師、看護師又は准看護師を、1人に限って保育教諭等とみなす。
◆家庭的保育事業における食事の提供に係る経過措置
 ⇒家庭的保育事業における食事の提供については、自園調理でなくてもよい。
◆地域型保育事業(居宅訪問型事業を除く)における連携施設に関する経過措置
 ⇒地域型保育事業(居宅訪問型事業を除く)の事業者は、連携施設の確保が著しく困難と市町村が認めるときは、連携施設を確保しないでもよい。
 
②延長なしと見込まれるもの
◆みなし幼保連携型こども園等における職員配置に関する経過措置
 ⇒施行時にみなし確認を受けた認定こども園の3歳児~5歳児の短時間利用児については、幼稚園の学級編成基準である35:1とすることができる。
◆新制度施行時点で市町村が定める利用者負担額よりも低い保育料を設定していた私立幼稚園、認定こども園の利用料に係る経過措置
 ⇒施行時に市町村が定める利用者負担額以下の保育料を設定していた幼稚園・こども園については、施行後も引き続き低い利用者負担額で徴収することができる。
◆みなし幼保連携型認定こども園における施設長に係る経過措置
 ⇒施行前の認定こども園において幼稚園部門及び保育園部門でそれぞれ必要とされた園長又は設置者を継続して配置する場合には2人目の人件費相当額を給付する。
◆小規模保育事業・事業所内保育事業における食事の提供に係る経過措置
⇒小規模保育事業・事業所内保育事業における食事の提供については、自園調理でなくてもよい。
◆小規模保育事業B型等に係る経過措置(保育従事者の資格)
 ⇒保育士その他保育に従事する職員として市町村長が行う研修を未修了でも保育従事者とみなす。
◆小規模保育事業C型に係る経過措置(定員上限)
 ⇒原則の利用定員は6人以上10人以下だが6人以上15人以下とすることができる。
 
③自治体の判断に委ねられると見込まれるもの
◆放課後児童支援員の認定資格研修受講に係る経過措置
 ⇒放課後児童支援員は、基準に定める基礎資格を有し、都道府県知事が行う研修を修了することを予定している者を含む。
 
垣脇 功
 
 
教育・福祉事業