「知」の結集 ゆびすいコラム

2019.06.20

税金の滞納で給与を差し押さえられたら生活ができない?

もしあなたが税金を滞納してしまい給与が差し押さえられてしまった場合、毎月の給与全てが差し押さえられてしまったらどうでしょうか。家賃、水道光熱費、食費等、日常生活のためのお金もなくなってしまうかもしれません。そうなってしまったら生きていけませんよね。そこで滞納者の生活を守るためにも給与の全額が差し押さえられるわけではなく一定額は保証されます。ではその一定額とはいくらのことでしょうか。
例を使って考えていきましょう。もし給与明細等が手元にあればご自身の分も計算してみるのも面白いかもしれません。
 
サラリーマンAさん 家族構成 妻B 長男C(独立して生活している) 長女D
月額の総支給額400,000円 社会保険料57,810円 所得税10,500円 住民税18,600円
差し押さえられない金額は次の①~③の合計額となります。
(なお計算過程で1000円未満が生じた場合は随時繰り上げていきます。)
社会保険料 所得税 住民税の合計額
社会保険料57,810円→58,000円
所得税 10,500円→11,000円
住民税 18,600円→19,000円
58,000円+11,000円+19,000円 = 88,000円
100,000円 + 生計を一にする親族×45,000円
長男Cは独立して生活しているので生計を一にする家族には含めません。
今回生計を一にする親族は妻Bと長女Dの2人です。
100,000円+2人×45,000円 = 190,000円
(総支給額-①-②)×20%
(400,000円―88,000円―190,000円)×20% =24,400円→25,000円
合計額 88,000円+190,000円+25,000円=303,000円となります。
 
給与が毎月40万円のサラリーマンAさんには、30万3千円は手元に残るということになります。結構残るから滞納してもいいかもと思う人もいるかと思いますが、もちろん収めるべき税金に足りない場合には、他の財産が差し押さえられます。場合によっては家が差し押さえられてしまうかも。ご注意ください。
ちなみにインターネットの公売オークションを見てみると結構面白いものも出品されています。私が確認したときはゴジラのフィギュアが出品されていました。
 
 
名古屋事業部 青木利泰
 
 
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